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ずっと疑問に思っていたこと。
それは彼女、もとい妖精の存在を人間のときに見つけられなかったことだ。
彼女が住んでいると言っていた森には調査で何度も足を運んだことがある。
木や花まで、細かいところまで調査済みのはずなのに妖精がいる痕跡なんて見たことがなかった。
さらに気になるのは、どうやら他の人間たちには彼女の姿が見えていないらしいということだ。
俺が彼女と過ごしている間、この部屋にはぶるーくやシャークんなど何人も様子を見に来たが彼女に気づくことは1度たりともなかった。
それどころか「スマイル、誰と話してるんだ？」とまるで俺が独り言を話しているように見えていたらしい。
そのことを彼女にぶつけてみると、羽根の動きがピタリと止まり、見たことのない表情を露にした。
『スマイルさんなら……』
「俺なら？」
『スマイルさんにならずっと見ていてほしいです』
俺にならとは一体どういうことだろうか。
俺の袖を控えめにきゅっと握った彼女は、俺の知らなかった妖精の現実について教えてくれた。
『スマイルさんは妖精の粉って知ってますか？』
「妖精の粉？……昔本で読んだことがあるな。魔法が使えるようになるとかいう」
『そうです。まあ魔法といってもそんなに大したものじゃないですけど____』
妖精の粉っていうのは例えるなら蝶々の鱗粉のようなもので、本来ならば極わずかしか取れない貴重な素材でした。
それを使えば空が飛べるとか、自分の存在を隠すことが出来るとか……私たちからしたらなんてことない力なんですけど。
それでも、人間にとってはきっと魅力的な力に見えたんでしょう。
争いごとが起こる度に自分達を強くするため、人間は妖精の粉を強く求めるようになりました。
『そんな少ししか取れない妖精の粉でも、効率よく集める手段があったんです』
「効率よく？」
『はい。それは妖精を捕まえて……その羽根をちぎってすり潰すこと』
小さく零れたその残虐な言葉に、彼女は自身の体をぎゅっと抱きしめた。
きっと口に出すのも嫌なんだろう。
俺が咄嗟にその白い頬に手を添えると、彼女は眉を下げながらにこりと微笑んだ。
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ふわぴ(プロフ) - ビー玉さん» ありがとうございます…！嬉しいお言葉ばかりでものすごくモチベに繋がりました。これからも丁寧な表現と読んでいて楽しいお話が書けるよう頑張ります！ (5月25日 13時) (
レス) id: 159c9c50ae (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - めっちゃ好きです！個人的に特に好きなお話は傷ごと愛してです。特に最後のページでまるでその世界を眺めているような柔らかな感じが顕著に感じられて思わず涙が出でしまいました。いつも美しい作品ありがとうございます。これからも応援してます！ (5月22日 1時) (レス) @page20 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわぴ
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2022年8月1日 14時
