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『きんときくんありがとう！ほんとに助かったよ……』
「あはは、この時間帯は眠くなっちゃうもんね」
授業のチャイムが鳴って先生が教室を離れた瞬間、私は隣の席のきんときくんに勢いよく頭を下げた。
わざわざノートの端を破ってまで答えを教えてくれたのに、それでも笑って許してくれるきんときくん。本当に人が良すぎる……
そんな私たちのやりとりを見て、無愛想に肘を着いた後ろの席の人が話しかけてきた。
「いや授業中に寝るのはよくないだろ。それに問題の場所教えたのは俺なんですけど？」
『む……スマイルくん』
そう、答えを教えてくれたのはきんときくんだけど、問題を教えてくれたのはスマイルくんだった。
確かにそれは事実なのでアリガトウゴザイマスと棒読みすれば、スマイルはまたむすっとした顔になった。
「お前も甘やかすなよきんとき。今後苦労するのはAなんだぞ？」
「そんなこと言って、お前もたまに寝てるだろ」
『え！スマイルくんも授業中に寝ることあるの？』
ばっと振り返って顔を覗き込むと別に寝てねぇしとつぶやきながらふいと目を逸らされてしまった。
意外だなぁ……スマイルくんの寝顔とかめちゃくちゃ気になるし、いつか授業中にいきなり振り向いてみようかなぁ。
『でもきんときくんにいつまでも迷惑かけられないから私もちゃんと起きとかないと』
「ふふ、俺は別に迷惑なんて思ってないよ？」
「んだよ、じゃあ俺には迷惑かけていいのか？」
横と後から同時に声をかけられて、王子様すぎる対応にきゅんとしたりもう片方は相変わらずひねくれてるななんて、2つの感情が湧き上がってきて対処に困ってしまう。
するとどこか鋭い視線でスマイルくんを一瞥したきんときくんはでも、と私に近寄ってきた。
「もしお礼したいなって思ってくれてたらでいいんだけどさ、よかったら今日俺と一緒に放課後遊んでくれない？」
『へ……ほ、放課後？』
急に耳元でそんなことを囁かれた。それ以上に耳に吐息がかかるまで急接近されたことで私の体温は一気に上昇する。
スマイルには内緒ね？と微笑むきんときくん。でもその笑顔はいつも見ている爽やかなものじゃなくて、どこかいたずらっ子のような顔で尚更心臓がうるさくなってしまう。
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ふわぴ(プロフ) - ビー玉さん» ありがとうございます…！嬉しいお言葉ばかりでものすごくモチベに繋がりました。これからも丁寧な表現と読んでいて楽しいお話が書けるよう頑張ります！ (5月25日 13時) (
レス) id: 159c9c50ae (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - めっちゃ好きです！個人的に特に好きなお話は傷ごと愛してです。特に最後のページでまるでその世界を眺めているような柔らかな感じが顕著に感じられて思わず涙が出でしまいました。いつも美しい作品ありがとうございます。これからも応援してます！ (5月22日 1時) (レス) @page20 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわぴ
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2022年8月1日 14時
