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私のしっぽに頬ずりして、大きな手で毛並みを確かめるようにゆっくりと撫でている彼は大層幸せそうな顔をしていた。
そりゃ当然、今日はずっとひなたぼっこをしていたのだからおひさまの匂いつきなんだもの。幸せにならないわけがないでしょ？
そんな自信から口角を上げてふふんと鼻を鳴らしていると、しっぽから顔を離したシャークんがこちらを見つめてきた。
「ほんとにAは毛並みがふわふわで気持ちいいな」
『そうでしょう？毎日気を使ってるんだから』
「まあそのシャンプー代もたっけえ餌代も俺が出してるんすけどね」
……そんなこと言われたら触られるのが嫌な耳もいじられるのを許すしかないじゃない。
ぺたんと下げた耳を触られてそのくすぐったさに耐えていれば、次は指の腹で頬を撫でられた。
『今は猫の姿じゃないからほっぺはふわふわじゃないよ？』
「別に俺が好きなのは毛並みだけじゃないからさ」
『ふーん……』
猫の私よりもいたずら好きで自分勝手なところは好きじゃないけど、それでもシャークんのあったかくて大きな手は大好きだ。
その手が逃げないよう上から自分の手を添えてすりすりと頬を擦り付けると、彼はまた嬉しそうに目を細めた。
「こういうこと言うの性にあわねぇけど、お前のこと見てるとかわいいとしか思えないんだよな」
『私がかわいいのは当然でしょ。大切に育てられてる子ほど美しく成長するんだから』
「んじゃお猫様がもっと綺麗に育つように俺も稼がないとなぁ」
うんうんと私が彼の言葉に頷いていると、急に額に柔らかいものが当たった。
それが何か分かった瞬間、驚きと恥ずかしさのあまりしっぽがぼんっと膨らんだのを感じた。
「っはは、ほんと不意打ち弱いよな」
『う、うるさい！私で遊ぼうとするならもう一生しっぽもふもふさせないよ』
「ごめんごめん。今度はちゃんと口にするから」
そういうことじゃないんだけど。
……まあ、嫌でもないからそれで許してあげるけどさぁ。
何度も響くリップ音にしっぽを左右させれば、シャークんからのキスもどんどん甘くなる。
どんなにプライドが高かろうと、この飼い主の手にかかればいとも容易く懐柔されてしまうらしい。
でもまあ、私たちはその方がいい関係が築けるのかも……ね。
「なあ、次は猫の姿でお腹吸わせ、」
『嫌です。早く今の分のちゅーるちょうだい』
「はぁ……ったく、 ほんと手のかかる猫だなぁ」
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ふわぴ(プロフ) - ビー玉さん» ありがとうございます…！嬉しいお言葉ばかりでものすごくモチベに繋がりました。これからも丁寧な表現と読んでいて楽しいお話が書けるよう頑張ります！ (5月25日 13時) (
レス) id: 159c9c50ae (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - めっちゃ好きです！個人的に特に好きなお話は傷ごと愛してです。特に最後のページでまるでその世界を眺めているような柔らかな感じが顕著に感じられて思わず涙が出でしまいました。いつも美しい作品ありがとうございます。これからも応援してます！ (5月22日 1時) (レス) @page20 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわぴ
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2022年8月1日 14時
