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少しずつ動くようになってきた頭でいろいろ考えていると、Aが俺の方へゆっくり手を伸ばしてきたのでその手を捕まえて指を絡めてみれば、ふにゃりと表情を和らげた。
『だって起きたらいなくなってるし、全然戻ってこないから出ていったんじゃないかって心配になったんだもん』
「そんなわけないだろ。ちょっと頭が冴えたから本を読んで眠気が来るのを待ってたんだよ」
どこか不安げな彼女を安心させるためにぎゅっと柔い力で抱きしめると、顔を埋められた首元からんふふっと満足気な声が聞こえてきた。
……なんだか本を読むよりも心が落ち着くような気がするな。
『スマイルはなんで起きちゃったの？』
「俺は、まあ……」
『もしかしてスマイルの方が怖い夢見たんじゃないの』
まさか言い当てられるとは思っていなかったせいでぐっと言葉が詰まってしまった。
くそ、こいつ半分寝ぼけてるくせになんで鋭いんだよ。
『え、ほんとにそうなんだ』
「別になんも言ってないだろ」
『スマイルも怖い夢とか見るんだねぇ……ふふっ』
「おい笑うな」
心底面白そうに口元を歪める彼女の頬をむにゅっと掴めば、Aはうにゃあと小動物のような声で反抗してきた。
『んも〜……怖いなら起こしてくれればいいのに』
「怖くねぇし」
『でも怖いからその本読んで気紛らわせてたんでしょ？』
「これはただ面白いから読んでただけだ」
否定すればするほどAは調子に乗ったような顔をしてくる。
ったく、誰だ？こいつをこんなつけ上がりやすくした奴は。甘やかしすぎるからこうなってるんだぞこいつは。
『ほら、すまいるおいで！』
「は？」
『本なんかより私のほうが落ち着くでしょ？』
彼女は一旦俺から離れたかと思えば再度腕を広げてそんなことを言ってきた。
一体なにがやりたいんだこいつは。そんな気持ちを込めながら見つめているとAは早く！と声を荒らげた。
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ふわぴ(プロフ) - ビー玉さん» ありがとうございます…！嬉しいお言葉ばかりでものすごくモチベに繋がりました。これからも丁寧な表現と読んでいて楽しいお話が書けるよう頑張ります！ (5月25日 13時) (
レス) id: 159c9c50ae (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - めっちゃ好きです！個人的に特に好きなお話は傷ごと愛してです。特に最後のページでまるでその世界を眺めているような柔らかな感じが顕著に感じられて思わず涙が出でしまいました。いつも美しい作品ありがとうございます。これからも応援してます！ (5月22日 1時) (レス) @page20 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわぴ
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2022年8月1日 14時
