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「俺とお前じゃ身体の作りが違うだろ。無理して俺に合わせようとしなくていいよ」
『……身体の作りがどうであれ私はずっとシャークんの隣にいたいよ？』
控えめに袖を引っ張りながら上目遣いでそう呟く彼女に思わず心臓が煩くなる。
そんな彼女を見るとかわいい、甘やかしたい以外の感情など湧くわけもなくて。
全く、俺の頭も随分とおかしくなったもんだ。
「はぁ……分かったよ。生活リズム崩れて倒れても知らないからな」
『シャークんと違ってひょろひょろしてないから大丈夫です〜！』
「は？お前、誰がひょろいって？」
彼女の言葉にカチンときた俺は強引に抱き寄せ、そのまま軽くお姫様抱っこをしてやった。
なんだよ、こんなに軽いくせによく俺がひょろひょろだなんて言えたな。
『ひっ……！シャークん顔、ち、ちかい……』
「今更だろ。なに、また噛みつかれたいのか？」
『違うもんっ！ほら早く部屋まで運んで！』
「え、誰も運ぶなんて言ってないんすけど」
少し意地悪を言えばいいから早く！と腕の中でばたばたと暴れられる。このままだと危うく落としてしまいそうだったので、仕方なく寝室まで連れてってやることにした。
『外が明るいのに寝ちゃうなんて、なんだかちょっと悪いことしてる気分かも』
「そうか？俺からしたら当然のことだけど」
『まあシャークんは吸血鬼だからそりゃあね』
まあ確かに、日が落ちてからが一日の始まりな俺と日が落ちたら一日が終わる彼女とでは感覚が違うのだろう。
彼女をベッドの上に降ろしてから、窓から差し込む忌々しい日光を消すために遮光カーテンを閉める。すると途端に部屋の中は真夜中へと早変わりした。
「じゃ、おやすみ」
『え〜、シャークんもう寝ちゃうの？』
「そりゃあ寝に来たんだから寝るだろ」
お前は寝たいときに寝ればいいよと触れる程度のキスをすれば、彼女は仄かに顔を赤らめながら抱きついてきた。
Aから微かに香る花の匂いはやけに俺の心を落ち着かせてくれる。あぁ、なんか余計眠気が増してきたな。
『おやすみシャークん。愛してるよ』
「……俺も。愛してる」
その小さくて繊細な身体が壊れないよう、優しく抱きしめればAは途端にすうすうと寝息を立て始めた。いや寝るの早すぎだろ。
ほんの少し……たった数時間だけ彼女の寝顔を堪能した俺は最後額にちゅっとキスをして、彼女と共に夢の中へと潜り込んだ。
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ふわぴ(プロフ) - ビー玉さん» ありがとうございます…！嬉しいお言葉ばかりでものすごくモチベに繋がりました。これからも丁寧な表現と読んでいて楽しいお話が書けるよう頑張ります！ (5月25日 13時) (
レス) id: 159c9c50ae (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - めっちゃ好きです！個人的に特に好きなお話は傷ごと愛してです。特に最後のページでまるでその世界を眺めているような柔らかな感じが顕著に感じられて思わず涙が出でしまいました。いつも美しい作品ありがとうございます。これからも応援してます！ (5月22日 1時) (レス) @page20 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわぴ
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2022年8月1日 14時
