アクリル恋模様 (ページ35)

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『もう大丈夫だよ、ありがとう……いつもごめんね、こんなメンヘラで』
「弱い部分を見せてくれるほど俺のこと頼ってくれてるってことでしょ？それなら大歓迎だよ。それに俺もよくメンヘラって言われるし」

Aだってメンヘラな俺のことも好きでしょ？なんて笑うなかむくん。私が肯定の意を込めて頬にちゅっとキスをすると彼は顔をぼんっと赤くした。

「ちょっ、いきなりは反則！もう、なんでそういうかわいいことするかなぁ……」
『えへへ、だってなかむくんがかわいかったから』
「かわいいって言われるのも嬉しいけど俺はかっこいいの方が嬉しいんだけどな〜？」

なんて言いながらぐりぐりと肩に頭を押し付けてくる彼。さっき彼がやってくれたみたいに優しく頭を撫でると、耳元で嬉しそうに笑う声が聞こえた。

『……私が弱ってるときにすぐに駆けつけてくれるなかむくんは世界で1番かっこいいよ』
「！……じゃあ俺のこと好きでいてくれるAは世界で1番かわいいね」

よくもまあそんなキザなセリフをさらっと吐けるものだ。恥ずかしさでしばらく固まっているとなかむくんはちゅっとキスをして満足気に笑った。

「さてと……いっぱい泣いたから喉乾いたでしょ？どっかカフェにでも行く？」
『へ、この時間から？』
「いいじゃん！Aはいっぱい頑張ったんだし、たまには良くない？」
『……うん、そうだね。行こ！』

たまにどうしてもこうやって沈んで沈んで、深くて暗いところから戻ってこれなくなりそうだけど、私にはなかむくんがいるから。
きっとこれからも明るい方に連れていってくれるんだから、私も彼の隣にいれるように頑張らないと。

そんなことを考えながら、支度を終えた私はなかむくんと手を繋いで玄関のドアを開けたのだった。