アクリル恋模様 (ページ31)

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「ねえ、ねえどうしてやめてくれないの？なんで？僕よりも薬の方が頼りになるの？」
『なんで？くすりってなに？私はぶるーくのことを1番頼りにしてるんだよ？』

なら、なんで、どうしてそんな笑顔で僕のことを見つめるの？なんで僕には弱いところを見せてくれないの？
ねえ、と低い声で唸っても、彼女の細い肩を握りしめてみてもハイになってしまった彼女には何も響かない。

彼女は僕には依存してくれない。

『ぶるーく？どうしたの、泣いてるの？』
「っ……Aのこと、僕には救わせてもくれないの？僕ってそんなに頼りないのかなぁ……」
『……んーん、ちがうよぶるーく』

ふわりと僕の頭に彼女の手が乗る。それはまるで幼子をあやすように動き始めた。

『ぶるーくのことがだいすきだから、だよ』
「好きならなんで、」
『好きで、好きで好きですきですきでだいすきでだぁいすきであいしててあいされたいから、えがおのわたしをすきになってほしいからだよ』
「……それが、くすりで変わっちゃった笑顔でも？」

別におかしくなった彼女を愛せないわけじゃない。でも、やっぱり僕は"彼女"を愛したい。僕のことで落ち込んで、僕のことで笑ってくれるような。いつでも僕が彼女の感情のトリガーになるような、そんな彼女を。

『くすりでかわったら、あいしてくれないの？』
「そうだね、本気では愛せないかも。そんなの僕、おかしくなっちゃうよ……」
『わたしはもう、おかしいけどね』

嬉しそうにそう言った彼女の目には、光なんてなかった。

ふいにパリン、となにかが割れる音が聞こえた。彼女の手から落ちた、薬の入った瓶だった。

これのせいで彼女は、僕は______