アクリル恋模様 (ページ3)

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……え、僕今マウント取られたの？それともただ親切に教えてくれただけ？
鋭いようで鈍いスマイルのことだ、恐らく親切で彼女の情報を教えてくれた可能性が高い。

にしてもなんか俺の方がAのこと知ってるぜドヤ、って感じしてちょっと腹立ったけど。
なーんてうそうそ！今度本1冊くらいなら奢ってあげてもいいかな、なんて未だに頭の中で独り言を呟いているの彼女は申し訳なさそうに僕に話しかけてきた。

『えっと、ぶるーくくんお願いしてもいいかな？』
「あ、英語の課題だっけ？どこが分からないの？」
『あのね、この構文がよく分かってないんだけど……』

僕は頭の中で描いていた数倍はかわいいAちゃんを見て口角を上げないように、彼女の机に自分の椅子を寄せた。

『ありがとう！私ほんとに英語できなくてスマイル以外の人に聞くのちょっと恥ずかしかったんだけどぶるーくくんの教え方とっても分かりやすいね』
「んーん、Aちゃん理解力高いから僕も教えやすかったよ」
『あの、迷惑じゃなければまたお願いしてもいいかな？』
「！……うん、もちろん！」

教科書を抱きしめながら上目遣いでそう尋ねる彼女は、それはもう僕のこと意識してますよね！？と言わんばかりの破壊力があった。
ほんとこんなかわいい子を無視しながら本ばっか読むとかスマイルおかしいでしょ、うんうん。
もういっそ本と付き合えばいいのにね、Aちゃんもそう思わない？……っていうのはまあ、言えないとして。