しっぽえにっき【合作企画】 (ページ7)

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それは普段の優等生の面持ちではなくイタズラ少年のような笑みだった。

そういうギャップも彼の魅力の1つだ。

kn「はーっ、笑った笑った」
『んもー、笑いすぎだよ…』

ごめんねーと悪びれもなく言うと図書館の入口に歩いて行った。私もそれについて行くときんときくんがふと私を見て口を開いた。

kn「言い忘れてたけどおはよう！それとその服Aちゃんに合ってて可愛いよ！」

そう言うと満足したのかスタスタとクーラーの聞いている図書館に入って行ってしまった。

私も行かなきゃ。

早く涼まなきゃ。

どうにも顔が暑くて仕方がない。

＿＿

学習用に並べられ椅子に腰をかけて深呼吸をする。となりではきんときくんがカバンからワークを取り出していた。

私もカバンに手を入れワークを取り出し予め付箋で分からないところを貼っておいた問題を開く。

するときんときくんはそれを察して私の問題を見ようと近づいた。

そう、近づいたのだ。かなり近い。お互いの息を聞こえてしまいそうな距離だ。

kn「あー、ここはねー」

丁寧に解説をしてくれているきんときくんの声に耳を傾けたいのだがどうにも距離の近さに意識してしまう。

もしかしたらきんときくんも、って。
そんなことは無いのに。

図書館を選んだのはきんときくんだった。明らかな脈ナシ場所だと思った。お互いの家じゃないあたり……

そう思っていたのになんなんだ、この近さ……

kn「あ、聞いてなかったでしょ。もっかい説明るから次はちゃんと」

『あの、ごめんね…近くない、でしょうか』

私を見つめるきんときくんはポカンとしていた。
あぁ、自意識過剰って思われたかな

kn「Aちゃんは俺が近いのは嫌？」
『嫌じゃない！けどそんな言い方…』

ずるいよ。

そんな私の反抗はきんときくんの言葉によってかき消されてしまった。

kn「それじゃあ、頑張ろっか」

そう言ってきんときくんは微笑む。その笑みには黒い感情が見えたような気がした。

きっとこの図書館はクーラーが聞いていないに違いない。

だってこんなにも暑い。