50滴目 ページ1
**
『はぁ……足が重い』
あれから２日後。
土日の休みを挟んでいつも通り学校へ登校している途中。
学校に行くときはいつも足は重かったんだけど、今日はまた少し事情が違う。
『あの人、暴れたりするかなぁ』
私を脅してきた、牧野という男。
きんときくんのお姉さんがもう大丈夫とは言っていたけど、学校で私がおじさんと遊んでたという噂を流している可能性は高い。
……やだなぁ。
「お、Aおはよっ！」
『わあっ！びっくりした、おはようきんときくん』
私が地面を見つめながら歩いているといきなり後ろから肩をぽんっと叩かれた。
地面見て歩くの良くない癖だな……なおさないと。
『ねえきんときくん、あの牧野って人どうなってると思う？』
「うーん……写真はなくなったにしろ、あいつの口がなくなったわけじゃないからなぁ」
やっぱりそうだよね、とがっくり肩を落とす。
でも、今隣にきんときくんもいるし、もうパパもママも私のことをちゃんと見てくれるようになった。
これだけ幸せなんだから、好奇の目に晒されることくらい耐えるべきなのだろうか。
内容が内容だし、おじさんと遊んでたのは変わりない事実だし……
「A！もう、下ばっかり見てると転けちゃうでしょ？」
ほっぺたをむにっとつままれながら無理やり彼に顔を上げさせられる。
目の前にはちょっと昔の、あのお節介なきんときくんの顔があった。
「俺に任せておいてよ。いい考えがあるから」
『いい考え……？』
「うん、いい考え！だからAはなんにも考えなくていいんだよ」
分かった？と言いながら楽しそうに私のほっぺをいじる彼。
ちょっと痛いです。
「さて、じゃあいい？入るよ？」
『うん……』
教室のドアの前できんときくんはそう尋ねる。
ここを開けたらきっとみんな私はのことをいろんな目で見てくるだろう。
でも、今はきんときくんがいるから。
きっと大丈夫。
____ガラッ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒灰白有無％(プロフ) - 完結おめでとう御座います！一気読させていただきました にやにやする所もあれば感動的なとこもあり本当に素敵な作品ですしとても面白かったです!あとがきに若干繋がっている所があるとの事なのでそちら(他)の作品も読ませていただきます。これからも応援しています！！ (6月18日 23時) (
レス) @page8 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ふわぴ(プロフ) - 望乃亜さん» コメントありがとうございます！望乃亜さんのストライクゾーンにハマってよかったです…！笑 こちらこそ読んでくださりありがとうございました！ (2021年8月26日 23時) (レス) id: 159c9c50ae (このIDを非表示/違反報告)
望乃亜(プロフ) - 完結おめでとうございます！私のタイプにどストライクな作品で、knさんがイケメンすぎてほんとにやばかったです…上手く伝えることはできませんが、本当に面白かったです！これからも頑張ってください！素敵な作品を本当にありがとうございました！ (2021年8月24日 23時) (レス) id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
ふわぴ(プロフ) - nemuさん» やっぱり最後は幸せがいいですからね！こんな拙作で泣いていただけるなんて作者もそのお言葉で泣きそうになりました…！読んでくださり本当にありがとうございました！！ (2021年7月27日 14時) (レス) id: a7c055b2fc (このIDを非表示/違反報告)
nemu - 完結おめでとうございます(*´▽｀*)夢主さんがknさんに助けられて、knさんが夢主さんのことを好きになって、最後には二人とも幸せになって、とても私もうれしく幸せな気持ちになりました(*´ω｀)感動で少し涙が流れました(*´｀*)素敵な作品をありがとうございました！！ (2021年7月27日 11時) (レス) id: b02dd3ae1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふわぴ
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2021年5月4日 23時
