パパと息子 (ページ6)

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挨拶ページ6

智「疲れたー･･･」

片付けを終えてキッチンで換気扇を回して煙草に火をつけてひと休み･･･

･･･今夜の晩飯と明日の朝飯の材料買いに行かないとな

智「あ、その前に引っ越しの挨拶･･･」

和「パパ･･･」

智「ん？」

リビングで遊んでた和がキッチンに来たから慌ててタバコの火を消す

智「どーした？」

和「おひるごはん」

和に『お昼ご飯』って言われて時計を見たら･･･えっ！？１時半！？

智「忘れてた･･･引っ越しの挨拶したら買い物に行く前に何か食いに行こうな？」

・

･･･引っ越しの挨拶って両隣でいいんだっけ？あ、真上と真下もだっけ？

智「でもウチは角部屋だから、隣は一軒だけか･･･」

３階の角部屋が俺と和の家

挨拶が楽だなー･･･とか思いながら隣の家のチャイムを鳴らす

智「･･･あれ？」

チャイムを鳴らしても人が出てくる気配がなくて

２回、３回とチャイムを押して気づく･･･

智「あ、表札がない･･･(笑)」

和「？」

笑ってる俺を見て不思議そうに首を傾げている和の頭を撫でて

『上の階に行くぞー』とエレベーターに向かった

智「下に越して来た大野です。こっちは息子の和也です。」

生田「あ、生田です」

上の階に住んでいたのは生田という若い男の人

チャイムを鳴らすと直ぐに出て来て

挨拶すると軽くお辞儀をした後、和を見て『よろしくな！』って笑った

･･･今時の若者だったな、しかもイケメンの(笑)

智「上に越して来ました、大野と言います。」

藤田「藤田です」

藤田奥「わざわざ御丁寧にありがとうございます」

智「和、和も挨拶して？」

和「･･･おおのかずなりです」

藤田奥「よろしくね、和くん」

下の階に住んでいたのは藤田さんという老夫婦

旦那さんは静かで無口、奥さんは優しそうな人だった

・

智「和、どれにする？」

和「んー･･･」

引っ越しの挨拶をすませて買い物の前にファミレスで遅い昼飯

和はメニューを見ながらずっと唸ってる(笑)

智「決まった？」

和「･･･まだ」

･･･何をそんなに迷ってるんだ？(笑)