櫻井家の話 ５ ページ45
翔「･･･潤？」
名前を呼ばれた潤が俯いたままビクッと小さく肩を震わせた
そんな潤の手を取って『パパを見て』と目線を合わせる
翔「潤 アイス、何個食べたの？」
潤「･･･３こ」
翔「お兄ちゃんに『１人３個ずつ』ってパパ言ったんだけど
お兄ちゃん、潤にそれ言わなかった？」
潤「･･･った」
すごく小さな声だったけど『言った』と答えた潤
翔「言ったのに、潤は４個食べようとしたの？」
潤「･･･」
翔「潤？ それは良い事？悪い事？」
潤「わるっ･･･こ、と」
翔「だよな？」
潤「･･･めん、さ･･･い」
目に涙を溜めてた潤がその涙をポロポロと零しながら謝る
翔「雅紀」
潤の涙をティッシュで拭いた後、今度は雅紀の手を取って目線を合わせる
翔「さっき 潤に何て言った？」
雅「･･･」
翔「潤が自分の分を食べたのに雅紀の分も食べようとしたから怒った
それはわかる けどその後、潤に『バカ』って言わなかったか？」
雅「いった･･･」
翔「雅紀 それ、自分が言われたらどう思う？
パパや潤が『バカ』って言ったら、雅紀はどんな気持ち？」
雅「･･･いや」
翔「だよな、嫌な気持ちになるよな？ それはみんな一緒なんだぞ？
みんな同じで嫌な気持ち、悲しい気持ちになるんだ」
雅「ん･･･」
翔「だから絶対に人にバカって言ったらダメなんだ、わかるか？」
雅「うん･･･」
翔「よし！じゃ、２人共 こういう時は何て言うんだっけ？」
握っていた雅紀の手を離して２人を向い合せる
雅「じゅん ごめんね･･･」
潤「にぃ ごめんね･･･」
翔「２人共 ちゃんと言えたな」
ヨシヨシって２人の頭を交互に撫でて俺がキッチンに戻ると･･･
雅「じゅん はんぶんこしよっ！」
潤「？」
雅「ん！ ･･･はい！あげる！」
先に雅紀が半分食べて、残り半分を潤の口に･･･
潤「にぃ おいしーね！」
雅「うん！ じゅんとたべると おいしー！」
･･･お前ら、恋人同士かっ！ 甘い！空気が甘いっ！(笑)
・
翔「カレー 出来たぞー！」
雅潤「はーい！」
翔「いただきます」
雅潤「いただきまーす！」
潤「うまっ！」
翔「美味いか？」
雅「うまーい！ パパ、みんなでたべるからだね！」
翔「そうだな(笑)」
色々あって少しだけ遅くなった晩飯の時間
だけど雅紀も潤も『美味い！』って残さずに全部食べてくれた
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作者名：綾
| 作成日時：2015年3月1日 15時
