パパと息子 (ページ44)

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櫻井家の話　４ページ44

翔「すぐ晩飯にするからな？」

風呂から上がって２人の体をタオルで拭いて服を着せて髪乾かして

その後、俺も着替えて晩飯のカレーを作り始める

雅「パパ！」

翔「ん？」

ジャガイモの皮むきと格闘してたら雅紀がキッチンまで来て俺を呼んだ

雅「アイス！」

翔「アイス？」

あー･･･そうだ、スーパーで『風呂上りのアイス』って言ったっけ(笑)

晩飯前にアイス･･･１人１個ずつ食わせたら確実に晩飯食わないよな？

でも『風呂上りのアイス』って約束しちゃったしなー･･･

翔「ご飯前だから潤と半分ずつな？」

雅「はんぶん？」

翔「そ、仲良く食べるんだぞ？」

手に持っていたジャガイモを置いて冷凍庫からピノを出して

外側のフィルムを取って蓋を開けて雅紀に見せる

翔「６個入ってるから潤と３個ずつな？」

雅「３こ！」

翔「そう、喧嘩しないで食べるんだぞ？」

雅「うん！」

ピノの赤い箱を握りしめた雅紀が『じゅんアイスたべよー！』って

リビングのソファに座ってテレビを見ている潤の所に走って行く

翔「転ぶなよー(笑)」

さて、あいつらが大人しくアイスを食べてる間に俺はカレーを･･･

『カレー作る時、野菜は切ってレンジで加熱すれば簡単だよ』って

この前、智くんに教えてもらった(そんな裏ワザがあったとは！)から

ジャガイモと人参、玉ねぎを切ってレンジで加熱して･･･

その間に肉に塩コショウして切ってフライパンで炒めて･･･

潤「い゛やっーーー！」

翔「え？」

雅「じゅん！これぼくの！」

潤「ちがう！じゅーの！」

翔「何だ？どうした！」

突然聞こえた潤の泣き声にフライパンの火を止めて慌ててリビングに走る

雅「パパ！じゅんが！」

翔「潤がどうした！？」

雅「ぼくのアイスとった！」

潤「ちがう！じゅーのだもん！」

雅「ぼくのだもん！じゅんのばか！」

青いピックに刺したアイスを握りしめる潤と

その潤の手を握って食べるのを阻止しようとしてる雅紀

･･･何だよ、何事かと思った！

つーか、『喧嘩しないで仲良く食べなさい』って俺、言ったよな？

翔「･･･２人共、離しなさい」

雅潤「･･･」

２人からアイスを取り上げると途端に静かになって

俯いたまま顔を上げなくなったから、しゃがんで目線を合わせる

翔「下向くな、パパの目を見なさい」

雅潤「･･･」

なかなか俺と目を合わせようとしない２人

･･･今から何を言われるのか、わかってるんだな？