気をつけろバカ！ (ページ5)

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「まあまあ、A先輩」
「何がまあまあだ。羞恥を知れ」

反省してないような顔して話を続けるショッピくん。反省して二度と先輩にモーニングコールをかけないこと。彼に5回ぐらい言い聞かせたが、浸透したかはしらない。しろ！

ドジしたばかりなのに、ショッピくんはスマホの画面をこっちに見せてきた。そこには水色の文字と黄色のふきだし。ポップなフォントでかかれてあるのは『コラボカフェ開催中！』

「オタクくんさあ…」
「先輩の推しいますけど」
「ショッピくん今から暇だよね～行こうね～～」

待ち合わせが運よくバス停だったため、時刻表を見る。幸い、あと五分で次のバスが来るというラッキータイムにあっている。

しょうがない、割とマイナーな推しだからこそ行かなければいけない。
実は、私自身アニオタということを隠して生きていた。だけど、色々あってショッピくんにツイッターの垢を見られ全てばれてしまった。ガチコの領域では無いのでそこまでダメージはなかったが、初めて知られたのがショッピくんというのはあまり良いことではない。

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「結構、地面凍ってますね」
「そうですね」

バスから降りると、外は一段と寒くなっていた。暖房の効いた車内にいたせいなのかもしれないが、めちゃくちゃ寒い。マフラーを巻いてきて正解だった。
最近、本格的に寒くなって雪も少しずつだけど降ってきた。積もりはしないが、地面が凍りついて滑りやすくなるぐらい。自家用車のタイヤそろそろ変えなきゃな…。

「転ばないで下さいよ、せんぱ」

私の前を歩いていたショッピくんが、いきなり視界から消えた。私も心臓がヒュンと詰まる。
恐る恐る下に視線を移せば、蹲った後輩。尻は、ついていない。

「ショッピくん」
「転けてません」
「ショッピくん」
「滑ってません」
「しょ、ショッピく～～ん」
「あ～～もう、ウザいA先輩！」

ちょっと頬を赤らめ、やけくそに叫んだショッピくんはお目当のモールに先々行ってしまった。