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「電気消すよ、ボタン外して。わかった、覚悟できた。いいよ」
「っ、いきますよ……」
「ちょストップ止まって！！いやごめんもうちょっと足広げて！」
「あし、つった…………」
「止まって！！」
はあ！！？？鬼か！！！と叫ぶ声が聞こえるが、そんなものパシフィコ横浜に吹く風のように聞き流して、iPadにペンを滑らせる。てさぐりネタやめて。
冒頭の匂わせ台詞は別に関係ない。ただショッピくんが「推し絵師の新作がいち早く読めるんでしょ！？しょうがないっすねえ、何でもしてあげますよ(うきうき)」とか言ってたので、ボタン4つ外して足開いてベッドの上に寝ている。私のような人種の前で何でもと言うなんて、路上レイ プ同等だろう。
構図が分からん！なら何でもしてくれるショッピくんに頼めばいいじゃないかとお願いすれば渋々了承してくれた。
「む、むり……あと何秒ですか……」
「180秒ぐらい」
跨がれてる受けの構図なので足を開きつつも少し腰を浮かせて貰っている。辛いと思うがラフ終わるまで少しの辛抱。心の中で適当な応援しつつ、ショッピくんの体と手元の画面を交互に見つつ手を止めない。
「んー、ま、いっか。次は」
「あのちょっとムラムラしてきたんですけど」
「ショッピくんそれ台詞中にあったけ？」
「A先輩、俺、色気あるくないですか？」
台詞中にはこんな言葉ない。
腰を下ろしキツイ体勢から逃れたショッピくんは1つ大きく息を吐いた。強ばってた肩の力が抜けたと思うと、ギラッと今まで見たことのない鋭い菫色の瞳が私を捕らえた。
こうして目が合ったのは昼以来。でも昼見た時よりも僅かにつり上がっていて瞳孔が開いていた。
「な」
描写は簡単にできるが、理解は全くできない。
とても間抜けな声が出てショッピくんの言葉に返す余地もなく、ペンを掴んでいた右腕ごと力強く引っ張られた。ショッピくんに覆い被さってしまう、と目を瞑ると背中に感触。私の古いベッドがギシッと軋み、体が反転した気がした。
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