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あれから数カ月。私達はできる限り一緒の時間を過ごして、デートに行ったり、彼の家でゲームをしたりした。お見合いの話を進めつつだったので、時間は短かったけれど。
今日がその最後になる日。今日は、一日時間を取った。夜も遅く帰ることにした。一日彼を感じていたいから。
私の希望で海に行くことにした。
夜になって行くと、肌寒いからか誰もいなかった。
海岸の塀に座って話をした。
足に、冷たい海水が若干当たる。
「もう、Aさんと会えなくなるんですね、」
「うん、」
「俺、海に来れて良かったと思うんです」
ショッピくんは前を見て話す。
「私も、来れて良かった。」
「ほんとですか、それは良かった。」
どちらからともなく、手を繋いだ。
彼の肩に頭を預ける。
「Aさん、このまま逃げましょうか、」
「え、」
「Aさん、この前言いましたよね。どこかへ逃げれたらいいのにって。」
「でも、」
ショッピくんは立ち上がる。
「大丈夫ですよ。、誰にもわからないところへ行きましょう。」
「きっと誰にも見つかりません。」
「俺たちは、幸せになれるんですよ、Aさん。」
さあ、と手を差し出したショッピくん。
「絶対、幸せにしてね」
差し出された手を取り立ち上がる。
「もちろん」
そうショッピくんは微笑んだ。
あのときみたいに、そっとキスをして。
そして、そのまま横に重心が傾いた。
「え、」
気がつけば、ショッピくんに抱きしめられていた。
息苦しい、息ができない。
でも、彼に抱きしめられていて、どこか安心できた。
だんだん意識が遠くなっていく。
意識が遠くなっていく中で、あのときのことをまた思い出した。
ああ、そっか。
彼は、約束を果たしてくれたんだ。
.
『来世で会えたら、そのときは、』
『そのときは、どんな手を使ってでも、貴方を幸せにします。』
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