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「先輩、起きてください」
「ん、あれ？ショッピくん？」
ショッピくんに起こされて目を覚ました。
そっか、ここは図書室だった。
「先輩すみません。なんか苦しそうだったので。」
「ううん、平気。夢見てた。」
「"あのとき"の夢ですか？」
「そう」
"あのとき"の夢。"あのとき"とは前世のこと。私は前世の記憶を持ったまま生まれた。目の前に座っている彼も。
前世で、私達は想いあっていた。ただ、結ばれることなく終わってしまったのだ。その時の夢を見ていた。
何百年も前の話。まだ戦争が普通に行われていた時代。
私は城下町の酒屋の娘、彼は国の幹部様だった。その時は、彼のほうが年上だった。
うちの酒屋は城下町にあっただけあって、国の軍人や幹部がよく来ていた。そこで私達は出会ったのだ。お互いに想いを伝えあって、幸せになれると思っていた。
でも、現実は違った。
彼は戦に出ることになったのだ。しかも、負けてしまうとわかっていた戦に。国の幹部なのだから、国に尽くさなくてはいけないことはわかっていたけれど、私は必死に引き止めた。
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