25話 ページ27
わなわなと震えながらこちらへ近づく実弥さん。
『ち、近づいちゃダメです！！』
また、食べてようとしてしまうから。今度は止められない気がする。
「っ、、どこの世界にハグも出来ねぇ夫婦がいるんだよォ、」
実弥さんはお構いなしにずんずんとこっちへ来た。
『や、です！！食べちゃう！！やだ！！』
「食べろよ。」
怒っている雰囲気の実弥さんは、いつの間にか私を抱きしめていた。
涎がぼたぼたと止まらない口に、刀を咥える。実弥さんは食べない、たべ、ない！！
「、、おい、、まだぱんけぃき食ってねェ。」
『っ、、』
背中に回されている腕の力がより強くなる。
私も、失わないように、できる限りの力で抱きしめる。
「籍も入れてねェ。Aの作ったおはぎだって全然食い足りねェんだよォ」
『っう、、ひぐっ、』
もう、当たり前に来ていたあの朝はこない。おはぎも作ってあげられない。眠そうに目を擦る実弥さんも。見ることが出来ない。
考えれば考えるほどに、涙が止まらない。
あぁ、思っていたよりも愛しすぎていた。
「それなのにっ！！、、殺すなんて出来るわけねェだろォがよ！！！」
バカかお前は、と乱暴に頭をぐしゃぐしゃされた。
実弥さんはいつもそうだ。乱暴だけどそこには優しさが隠れている。
「まだ希望はある、、さっさと鬼舞辻倒してうちの嫁さん返して貰わねェとなァ」
ニヤリと不敵にわらう実弥さん。頼もしいな。
でも、もう、
行くぞと立ち上がりスタスタ前を歩く実弥さん。
その後ろ姿にそっと手をかざした。
ごめんなさい。もう、正気を保って、いられない、
頭から、皮膚を破り何かが生えてくるのが分かる。
角だろうか。
長く鋭い爪にとがった牙。
誰がどう見ても私は鬼で。実弥さんの隣にはもう居れない。
温かくて、いい匂いで、可愛くて、大好きな実弥さんの隣には、もう、
残り少ない自我の中、そっと、刀を首に当てる。
「A、、？っおい！！まてェェェ！！」
焦っている実弥さんが上下左右あべこべに見える。
あぁ、上手くきれたかな。
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カカ(プロフ) - narumiさん» ありがとうございます！ハッピーエンドは大好きです、、 (2020年1月4日 1時) (
レス) id: c193d50bb9 (このIDを非表示/違反報告)
narumi(プロフ) - すごく面白かったです！ハッピーエンド〜 (2020年1月2日 9時) (レス) id: 8ae7060ebb (このIDを非表示/違反報告)
カカ(プロフ) - じゃがりさん» 嬉しいです！！ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します (2019年12月31日 13時) (レス) id: c193d50bb9 (このIDを非表示/違反報告)
じゃがり - すごい読みやすいです！！不死川さんかっこいい！更新頑張ってください( ‘-^ )b (2019年12月27日 11時) (レス) id: f9158bf3f2 (このIDを非表示/違反報告)
カカ(プロフ) - 花っち�擦気�» じゃんじゃか展開を進めてしまいます笑しゅきだなんてありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！ (2019年12月26日 21時) (レス) id: c193d50bb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カカ | 作成日時：2019年12月14日 17時
