高嶺の花を摘んでください。 (ページ12)

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最初の方は本当に全くと言っていいほどミンソクさんと会話がなかった。
おしゃべりな私とは対称的にミンソクさんは口数が少ない人だ。
こんな女子高生と話す話題なんてないだろうな～とは思っていたけどここまで無言なのは耐えらなかった。

でも最近は私が一方的に話してるのに対して話を繋げてくれるようになった！(素晴らしい成長)
『いい天気です～』と言うと｢そうだな。明日は雨らしい｣と返してくれるようになったのだ！！

そして私が黙ると｢なにか話せ。落ち着かん｣と言ってくる。
なにか私たちの間が狭まったような気がして嬉しい‥‥？

｢今日はやけに静かだな。お前の担任のジュンミョン先生の話はしないのか？｣

『あ、して欲しいですか？』

｢この前クラスメイトと誕生日プレゼント用意したって話を聞きたい｣

いつも通り生意気な口調で話しかけても｢もっと可愛げのある話し方をしろ｣って舌打ちしながら言われない！？
なんか今日は珍しく素直だな‥‥
その上何だかミンソクさんの機嫌がいい！

『成功しましたよ！！すごく喜んで泣いてました！』

｢良かったな。いつも『先生イケメンだけどうざいわ～』って散々いじめてきた生徒が急に優しくなったら泣くだろ。｣

そうだよね‥‥ごめんね。ジュンミョン先生‥‥
本当は好きだけど照れ隠しなんだよ。

『で、どこに行くんですか？』

『何も言わないで連れていくのは誘拐です。』

｢来週に見合いの日程が決まった。｣

『え！？！？』

み、見合い？？あ、そうか。
私この人と見合いする契約だったんだ。忘れてたわ。
でも！私の意見も聞かずに日程が決まったの！？

『でも来週なのにどこ行くんですか？』

｢見合いの時に着る服を探さなきゃだろ。高校生ってバレたらアウトなんだよ！｣

『あ、そっか。え、なんかそんなに重要な任務だったんですね。』

｢お前をトン様に会わせてなおかつサインCDまで貰うんだぞ。それくらいの緊張感を持て。｣

『すみません‥‥』

そうだった。重要なことを忘れていた。
この意地悪ミンソクさんの為じゃないんだ‥‥
私は！！トン様に会うために頑張るんだ！！
だったらせめて二十代前半の大人の女性に見えるように頑張らなきゃじゃん！！！！

｢気合い入ったか？着いたぞ～｣

『気合十分です！！トン様に会うためなら私頑張ります！！』

｢あ、そう‥‥か‥‥が、頑張れ。｣

あの冷血ミンソクさんが引くぐらい私のヲタ魂がメラメラと燃えてるんです！