朱色は何を映す (ページ6)

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鍵の番人ページ6

あれから手紙は毎日のように届けられ、遂には伯父さんの我慢が限界に達し、私たちは海の上の小屋で一夜を過ごすこととなった

夜になると、嵐で辺りは吹き荒れ、波も高くなっている

皆が寝静まり、ダドリーのいびきが聞こえる中
「エラ、僕たちが１１歳にるカウントダウンをしようよ」
「もちろんさ、ハリー」

3

2

1

「「お誕生日おめでとうハリー/エラ」」

そう二人で同時に言った時

ドーーーン
と小屋中に響くノック音
私とハリーは跳び起きてドアの方を凝視する
そしてもう一度
ドーーーン
とドアがたたかれるのと同時にドタドタと上からライフル銃を持った伯父さんとその陰に隠れた叔母さんが下りてくる

「誰だ。そこにいるのは。言っとくが、こっちには銃があるぞ！」
伯父さんは叫んだ
一瞬の間があり
バターーン!
と凄まじい音と共に力任せに押し開けられた扉が床に落ちていた

戸口には私の記憶の中にいた大男ハグリッドが立っていた

彼は部屋に入り、拾い上げたドアをいとも簡単にバチンと戻してしまった

周りをグルリと見渡し
「お茶でも入れてくれんかね？いやはや、ここまで来るのは骨だったぞ…」
と金切り声を上げて逃げるダドリーの横を通り私たちの目の前に来た

「オーッ、ハリー！エラ！大きくなったなぁ！！最後にお前さんたちを見た時にゃ、まだほんの赤ん坊だったなぁ。ハリーは父さんそっくりで、エラは母さんそっくりとな！」
と懐かしいものを見るかのように笑いかけた

伯父さんが奇妙なかすれ声を出し
「今すぐお引き願いたい。家宅侵入罪ですぞ！」
「黙れ、ダーズリー。腐った大すももめ」
と言うやいなや、彼は伯父さんの手から銃をひったくり、まるで柔らかい何かを扱うかのように丸めて一結びにする

えっ、凄いな

「なにはともあれ…ハリー、エラ。お誕生日おめでとう。お前さんたちにちょいとあげたいモンがある…どっかで俺が尻に敷いちまったかもしれんが、まぁ味は変わらんだろう」
と言い、ケーキをくれた

情報が多く混乱していたのかハリーは「あなたは誰？」と言ってしまっている

その答えにハグリッドはクスクス笑い
「さよう、まだ自己紹介をしとらんかった。俺はルビウス・ハグリッド。ホグワーツの鍵と領地を守る番人だ」