朱色は何を映す (ページ4)

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ダドリーの誕生日ページ4

ガタガタと階段を下りる音で目が覚める、隣で弟のハリーが静かな寝息を立てている

起こさないようにそっと起き上がり、階段下の物置から出ていく

「おはようございます。叔母さん。朝食は私が作りますので、ハリーはもう少し寝かせてあげてください」
そう言ってキッチンへと向かう
今日はダドリーの誕生日のため、食卓はプレゼントの山でほとんど見えなくなっている
「ベーコンを焦がすんじゃないよ、今日はダドリーちゃんのお誕生日なんだからね」
と叔母はいつもの金切り声を上げる

バーノン伯父さんが上から下りてきて、物置の扉をたたき大声で「起きろ！！」と言っている
「おはようございます。伯父さん」

続いてダドリーが上機嫌で食卓に入ってくる
「おはよう。ダドリー」
「おはよう。エラ」

そんなやり取りをしていると、くねくねと寝ぐせのついた頭を掻きながらハリーも部屋に入ってくる
その身なりを見かねた伯父さんが
「髪をとかせ！」
と挨拶代わりに一喝した

「おはよう。ハリー。よく眠れた？」
「うん。姉さん、おはよう」
と朝食の手伝いをしてくれる

ダドリーは自分に贈られたプレゼントの数を数えていたが、それが昨年よりも少なかったようで癇癪を起していた

それを遠目からハリーは顔を顰めながら眺めている

結局、動物園でプレゼントを買い足すことが決まったようで、今回はたまたまフィッグおばさんが怪我で私たちを預かれないため、私たちも一緒に行けることが決まった

ダドリーはショックで口を開けていたが、ハリーは嬉しそうにしている
私たちは伯父さんに忠告を受けながら、車の後部座席に乗り、動物園へと到着した

私とハリーは動物園に入り、園内をグルグルと歩いていると大きなニシキヘビがいた
ダドリーはしきりにその子を動かしたがったが、ヘビは眠り続けたままでいたため、文句を言いながら行ってしまった

辺りが静かになると突然、ヘビが目を開け、ゆっくりこちらへと顔を動かした

「いつもこうさ」
不意に聞こえた声の主に私は驚愕する
ハリーも同じだったようだが、驚きながらも三人で会話を始める

そこへ興奮した様子のダドリーがハリーを押しやったため、ハリーのもとへと駆け付ける
その後は本当に一瞬の出来事だった
ダドリーがガラスに寄りかかると、パッとガラスが消えてしまったのだ

慌てて、ダドリーを引き上げると、隣でヘビが私とハリーに
「ブラジルへ、俺は行く、ありがとよ。アミーゴ」
と言い外に出っていった