早生まれの藤原くん ページ7
ここに向かう間、不在着信があったようだ。
表示は「藤原」、と可愛らしい柴犬のアイコン。
……私よりも女子力があって、なんかムカつくなぁ。
心の中の黒いモノを踏み潰して、「藤原」に掛け直す。
プルルル プルルル
A「もしもし……」
『あっ、やっと出た……』
A「ごめん、仕事が長引いて……」
『とか言って、どうせ肩代わりしたんでしょ?』
A「あー、それは……はぁ、なんでもお見通しなんだね、藤原くんは」
「藤原くん」。高校生時代の先輩、マンションのお隣さん。
フジ『こら、藤原くんって言うなよ』
「一応、先輩なんだからね」と彼は電話越しに笑う。
A「ふふっ」
私もつられて笑う。
「で用件は、相手のいない私をからかいに?」と嫌なところを強調して言うと
フジ『んなわけないでしょ、ちょっとAにお願いがあって』
A「なにー、パシリ?」
フジ『違う違う、ご馳走つくって欲しいんだけど……』
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やっとフジさんの登場ですね…
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作者名:パン屋さん | 作成日時:2017年3月24日 13時