187．守れなかった ページ37
その翌日、Aの意識が戻らない間に4日間の代理戦争は終わりを迎えた。
アルコバレーノの呪いも解かれ、誰一人欠けることなく戦いが終了したことは、綱吉のボンゴレファミリー10代目としての成長を感じさせられたとリボーンは隣を歩く男を見ながら思う。
「いつ意識が戻るのかな」
今日は戦いによって負傷したバジルやディーノ達のお見舞いに行くことになっていた。獄寺達も一緒に来ていたが、1度に大人数で押しかけるのは迷惑になると先に綱吉とリボーンが病室に向かうことになったのだ。
しかし、綱吉はこの病院がAが運び込まれた場所でもあるとリボーンに聞かされていたため、バジル達の病室に寄る前に、真っ先に彼女の病室へ向かったがAは未だに目を覚ましていなかった。
「そろそろ戻ってもおかしくねーと思うが」
「……もう、2日だよ」
「このままAが目を覚まさなかったら……」綱吉の独り言が静かな廊下に響く。ギクシャクしていたAとやっと今までみたいな関係に戻れると思ったのに、どうして上手くいかないんだろう。
「俺が一番、Aのことをわかってるはずなのに」
「肝心なときに俺はいなくて……、守れなかった」綱吉がそう呟いた瞬間、目の前の病室の扉がガラッと勢いよく開く。目を見開いた綱吉の視界いっぱいに、XANXUSの注射を全て顔面に引き受けたレヴィが映った。
それからというものの、入院していた白蘭や骸、雲雀、代理戦争の参加者達が次々と騒ぎ始め、壁やガラスが割れるくらいの戦いに発展しかけたが、戦いからの疲労のためか病院が軽く崩壊した辺りでそれは落ち着いた。
「ツナ君」
「炎真！」
バジル達と別れ、突然背後から名前を呼ばれて振り返ると、診察の帰りだという炎真に「お疲れさま」と声をかけられる。誰かのお見舞いかと質問され、綱吉は炎真とAの仲の良さを思い出し、誰にも言うつもりのなかった彼女のことを話すことにした。
「Aが入院してるんだ」
「……Aが？」
「2日目の夜、復讐者の闇討ちに巻き込まれたみたいで」
「僕達がバトルウォッチを奪われた日か！」と心配や焦燥に染まる炎真の表情。炎真も仲間思いの優しい人間だからな、なんて考えながらも自分が一足先にディーノさん達のお見舞いに来たことを思い出す。
下にいる京子ちゃん達に声掛けに行かないと、と思い「俺は一階に少し用があるから、先にAの病室で待ってて！」と彼女の病室を伝えてその場を後にした。
188．だから、側にいてあげてよ→←186．何ニヤニヤしてんだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：√A | 作成日時：2023年7月6日 19時
