【REBORN】最高の幸せ 4【沢田綱吉】 (ページ35)

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185．連絡もつきませんしページ35

3日目の代理戦争がきっかけで内臓を自分の幻覚で創られるようになったクロームは、翌日には退院して学校に通っていた。

「……Aちゃん、来なかったね」

昨夜、京子と共に自身を病院へ連れて行ってくれたAの姿を見ていないことが気になっていたクロームが、思わず京子に声をかける。すると隣を歩いていた京子が「昨日はあんなに元気だったのにね」と眉を下げた。

「病院で風邪もらっちゃったのかなぁ。あとで、ハルちゃんとイーピンちゃんも一緒にお見舞い行こうね！」
「うん……！」

クロームの反応に笑顔になった京子が何かを思い出したように鞄に手を入れる。「ツナ君、こんなになるまで使ってくれてたんだよね……」そう言って取り出したのは、綱吉から預かったボロボロのお守りだった。

了平の態度から、綱吉の周りで何かが起きていることを察した京子は、自分にできることはないかと今朝偶然出会った綱吉から受け取っていたのだ。

「ハルちゃんと合流して、新しく作り直しちゃお！」
「そうだね」
「夜には必要みたいだから、夕方になる前には完成させたいね」

そうして、笹川家に集まった京子達は綱吉や獄寺、山本のお守りを綺麗に作り直した。10年後の世界に行ったからか、家事のスキルが更にあがった彼女達は時間をかけることなく完成させ、「本当はAちゃんも誘って皆で渡す予定だったんですけど……」と出来上がったお守りを手にする。

ビアンキに綱吉達に会いに行くことを連絡をした京子は「まずAの家にお見舞いに行こうよ」と提案し、沢田家の前に松田家へ行くことが決まった。

「……出ないね」
「連絡もつきませんし、よっぽど具合悪いのでしょうか」
「そっとしておいた方がいいのかな」

インターホンを押しても誰も出てこないうえ、未だに返信のこない体調への気遣いを綴ったメッセージ。Aも一緒にツナ君達のお守り作りたかったな、と顔を曇らせながら京子は沢田家へ足を進める。そこには黒いスーツを身に纏った強面の男達が沢田家を囲むようにして立っていた。

「こっちよ」
「ビアンキさん、この人達はどんな集団で一体何の集まりなんですか！？」
「とても恐い集団とも言えるわね。このメンツを集められる人間なんて、そうはいないわ」

「じゃあ、一体誰が……」とビアンキに続いて沢田家の敷地内に入った京子達が目にしたのは、「一緒に戦ってください！」と力強く声をあげる綱吉(ボス)の姿だった。