【REBORN】最高の幸せ 4【沢田綱吉】 (ページ34)

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184．察しがいい女だからなページ34

「何があったんだコラ！」
「バミューダチームの闇討ちだ」

会議を終えて家光達のいる沢田家へ向かっていたコロネロが目にしたのは、酷い光景だった。腹部や頭部から血を流す家光が「すまない、ボスウォッチを壊されちまった」と悔しそうに呟く。

「代理以外の復讐者が突然襲ってきて、家光は妻を守るために身を挺して重症だ……」

言葉に詰まりながら話すラル。身体を動かそうとした家光に「医療班が来るまで動いてはいけません！」と動揺した表情で声を荒らげるバジルに視線を向けたコロネロは、彼の腕の中にいるはずのない人物を認識して目を見開いた。

「A！？」
「偶然通りかかったA殿まで……」
「なんて奴だバミューダ！」

怒りで震えた拳。慌ててAに駆け寄ると、彼女の腹部を押さえたバジルの手が赤く染まっていることに気がつく。か細い呼吸を繰り返すAの顔色はお世辞にもいいとは言えない。今にも死んでしまいそうだと思った。

医療班を待つしかないのかと歯を食い縛り、コロネロは「ママンは無事なのかコラ！」と状況を確認する。すると、奈々を腕に抱いたビアンキが「パパンの血を浴びたショックで気絶してしまったわ」と呟いた。

「何でママンがこんな辛い目に遭わなきゃならないの？どうして、Aのことまで傷つける必要があったの？」

ビアンキの切実な思いに誰も口を開けない。奈々を庇った家光の姿に動揺した一瞬の隙を狙われ、Aが重症を負ったという事実は消えないのだ。彼女は、マフィアの戦闘に程遠い一般人だというのに。

「お願い、ママンやAにはこの出来事は夢だったことにしてあげて！」
「ビアンキの言う通りだな。……だが、Aには夢で誤魔化すのは厳しいだろう。察しがいい女だからな。それにその大怪我じゃ無理がある」

突然現れたリボーンがAの様子に顔を曇らせる。「とにかく、ママンだけは何があっても絶対に戦いに巻き込んじゃならねぇ」と表情を変えることなく口を開いた。そのまま他チームの状況を伝えていると、家光がリボーンの名前を呼ぶ。

「俺のことは、暫くツナには黙っておいてくれないか？」
「……！」
「今あいつの集中を妨げたくない」
「わかった」

リボーンは『本当はアイツも巻き込みたくなかったが……』と到着した医療班がAに駆け寄る様子を眺める。ツナには家光よりもAの容態の方が言うべきではないだろうな、なんて考えながらもハットを深く被った。