【REBORN】最高の幸せ 4【沢田綱吉】 (ページ33)

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183．おい早く離れろ！ページ33

遡ること数分前。虹の代理戦争2日目を終え、1日に一度の戦闘が終わったことで緊張が緩んでいたコロネロチーム。そんな彼等がいる沢田家では、穏やかな時間が流れていた。

家光が「奈々～背中流そうか？」と浴室にいる奈々に声をかけると「大丈夫よ！イーピンちゃんが流してくれたから」と返ってくる。その反応に「そ、そっかぁ」と苦笑いした瞬間、感じた異変に目を見開く。

「親方様！とても攻撃的なこの炎は……」
「外からだ！」
「いいか、油断するな」

いつでも戦闘に参加できるように待機していたバジルやラル。彼等と共に外に出た家光は、家の敷地内にいた1人の復讐者に向かって戦闘態勢をとった。

復讐者は、今日の夕方シモンチームを襲って強引にバトルウォッチを入手し、虹の代理戦争への参加資格を手に入れた。戦闘開始の合図もなく現れたということは、目的は“闇討ち”。

「どういうことだ、復讐者」
「ボスウォッチを壊しに来た」
「わざとコロネロのいない時を狙ったな！」

そう、コロネロ含むアルコバレーノ達は話し合いをするために集まっており、この場にはいなかった。最強の赤ん坊であるアルコバレーノの不在を狙われたということは、こちらの戦闘力がかなり下がる。

「そこまでして勝ちたいか、復讐者」と家光が冷静に声をかけると「語る気はない。目的こそが至上」と返事を待つことなく攻撃を始める。

「一匹なら俺達3人で何とかならん相手ではないぞ」

周囲へのことなど考えもしていない復讐者は鎖を使って壁を破壊する。「まだローン残ってるんだぞ」と家光は自身の着けているボスウォッチを守りながらも勢いよく拳を振り上げた。勝てる、と少しの希望が見えた瞬間のこと。

「あなた、騒ぐと近所迷惑よ！」
「っ、奈々！」

騒ぎを注意するためにベランダから顔を覗かせた奈々に向かって、復讐者は無情にも攻撃を仕掛ける。ドスッと響き渡った鈍い音。狙われた奈々を庇い、まともに攻撃を喰らった家光は大量に出血して倒れこんだ。時間が止まったような感覚がその場に流れる。

「…………家光さん？」

家光の血痕を顔に浴びて気絶した奈々や、深傷を負った家光に動揺していた彼等が我に返ったとき、3人はここにいるはずのない人物の声に目を見開いた。

「っ、A殿！」
「おい早く離れろ！」

慌てて口に出したときには既に遅かった。彼等が目にしたのは、呆然と立ち尽くすAに向かって容赦なく鎖を突き刺す復讐者の姿だった。