152．昨日告白されてたんだよ！ ページ2
どうやら了平さんと青葉紅葉という先輩がなにやら勝負をしていたようだった。奈々さんの一言で決闘ではなく勉強勝負をすることになったようで、彼等は現在綱吉の部屋にいる。
「今日は皆で遊んでたの？」
「京子ちゃん！そ、そんな感じだよ」
あれから綱吉の家にお邪魔することになった私達。了平さん達だけでなく、そこには炎真もいて驚いたのは記憶に新しい。
リビングで四角のテーブルを囲むように座ることになったのだが、炎真と並んで座っている綱吉の隣に京子が自然と座った現場を目撃してから上手く笑えなくなった。リボーン君の隣が空いてるじゃない……。
「炎真も遊びに来てたんだ」
「うん。Aが来てびっくりした」
「そうだよね」
残った席は炎真の向かいの席と、炎真の隣のお誕生日席。要は京子の向かいの席になるのだが、少しでも2人と距離を取りたくなって炎真の隣に腰かけた。
炎真はここに私がいることが不思議でたまらない、というような表情を浮かべていて“前に訊かれたとき、綱吉との関係を言わなかったんだった”と思い出す。
「ねぇ、古里君って転校生だよね？2人とも名前で呼びあってるけどAと知り合いだったの？」
「……うん」
「えっそうなの？」
驚くリアクションを見せた綱吉が気まずそうに私を見る。しかし、京子と距離が近い綱吉に一方的に嫉妬して「うん、仲良しなの」と少し嫌味も込めて笑うと、隣にいた炎真が少し反応した気がした。
「へ、へぇ」と顔を引きつらせた綱吉の表情を見て、やり過ぎたかなと少し後悔する。そんなピリピリとした空気を壊すように「あ！そういえば」と京子が楽しそうに笑った。……嫌な予感。
「Aね、昨日告白されてたんだよ！」
只でさえピリピリとしていた空気が、彼女の天然発言で一気に重くなる。京子はそれに気付かず「Aの髪型も可愛くて似合ってて」と私のことを嬉しそうに話している。
自慢の親友だと言いたいのだろう。そういうところも可愛いけど今じゃないよ、と言いたいが彼女は重度の天然。自分の発言のせいで空気が重くなっているとは気付けないのだ。
「ち、ちょっと京子、恥ずかしいから辞めてよ」
「ご、ごめんね！Aのすごい話、ツナ君達にも教えてあげたくて……」
しゅん、と俯く彼女に「大丈夫、わかってるよ」と笑いかける。京子も告白は日常茶飯事だろうとは思うが、彼女はきっとそれが告白だとは気付いていないのだろう。＿＿綱吉のときもそうだったし。
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作者名：√A | 作成日時：2023年7月6日 19時
