113．俺話したんだ ページ13
「京子ちゃんとハルに話をしたって皆に報告しなきゃ……お兄さん怒るかなぁ」
料理の仕込みをしていたハルに真実を伝えると、彼女は無理したように笑っていた。気持ちを隠すのはAに似ているからな、なんて考えていると泣いているAを河川敷に置いてきたことを思い出す。
気持ちを入れかえて、ウィィンと機械的な音をたてて開いた会議室に入ると「よぉツナ」とディーノさんに声をかけられた。
修業の進み具合をチェックしに来たと言う彼に「京子ちゃんにヒントをもらって匣のことがわかってきたんだ。多分暴れたりはしないと思う」と伝える。
「すげっ！」
「さすが10代目っス！」
「まだやってみないとわからないけど……」
ところが、次の瞬間「ラン♪ラン♪」と繰り返し聞き覚えのある声が室内に響き渡り、突然画面が切り替わった目の前のスクリーンに目を移すと「何者かに回線をジャックされてます！」と焦ったように声をあげるジャンニーニが視界に入った。
「ランランランランラーン♪ビャクラン♪」
「なぁ！？」
「ハハハハッ」
ふざけたような白蘭のイラストが画面に現れて驚いていると、パキャーンという効果音と共に映像は崩れていき「どう？面白かったかい？」とパフェを食べながら笑いかける白蘭本人がスクリーンに映し出された。
「暇だから遊びに来ちゃった」
「やろう、おちょくってんのか！？」
「なーんてね。本当は“チョイス”についての業務連絡さ」
呑気にクリームを口に運びながら笑顔を浮かべる彼は、動揺し警戒心をむき出しにする俺達に「6日後のお昼12時に並盛神社に集合」と告げる。並盛という言葉に反応すると「仲間は全員、少なくとも過去からきたお友達は全員連れてきてね」と続けた。
「京子ちゃん達も！？」
「なんだと！？」
「そこに意味があるんじゃないのか。皆で来ないと君達は失格だからね」
待て、と抗議の声をあげる俺達の意見には耳を傾けることなく「じゃあ修業がんばってねぇ」という白蘭の発言を最後にプツッと回線が途絶えた。
彼女達を戦闘の真っ只中へ連れていかなければならない。絶望的な状況に動揺していると「こうなるとツナが京子達に状況を説明しちまったのは正解だったかもな」とリボーンが口を開く。
「！？」
「……ご、ごめん。俺話したんだ、やっぱり京子ちゃん達にも事実を知ってもらうべきだと思って」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：√A | 作成日時：2022年8月22日 13時
