103話 ページ7
今の今まで、忘れていた訳では無いんだ。
ただ、忙しすぎて頭から吹き飛んでいただけだ。
「やっべ……この本すげえ…」
もう一度言うが、忘れていたわけではない。
俺の手には、ウーゴさんから頂いたあの本が
「…てかスマホ…」
電子書籍で読めている。
どうやら、シエルが知らない間に本を取り込んでしまったようだ。
お前そんなことも出来たの!?と尊敬しかけたけど、よく考えてみたらすごいのはスマホだ。「崇め奉れ‼」と言いながらドヤ顔のシエルを見ていたら尊敬何て吹き飛んでいった。
しかし、これはなかなか役に立つ。誰かに読まれる心配も無ければ、盗られる心配もない。
「いやー。本当に、人間の文明もスゴいね〜
本読みたいって思うだけで情報が来るし。スマホの中も中々快適だよ〜」
とスマホ生活を満喫しているシエル。お前はぬくぬくだけどな、俺はぬくぬくじゃねえよ‼こんにゃろ‼
シエル好みの天蓋付きのベットとゲーム、そしてふわふわ動く雲の背景を見ながら、少しだけ羨ましくなる。俺も携帯の中で涼みたい。
人前に出るとき、用心して俺は顔を晒さない。そんな格好だから目立つが、万が一正体がばれても大丈夫だろう。でも暑い
それにしても
「……疲れた…」
謎の脱力感。おかしいな、今日はそれほど動いて居ないのに。そう思って首をかしげる。年か？
考えてみると、俺は前世も合わせると相当な年だ。今は確k……あ、止めておこう。
考えるだけで恐ろしい。
『……ごめん、A…』
肩をゴキゴキならして年をとるのは嫌だな等と思っていると、突然シエルが謝ってきた。
珍しすぎて一瞬反応が遅れる。
「え…どうしたシエル…気持ち悪…」
『……』
「うそうそ‼冗談だよ冗談‼」
ごみを見るような顔で去っていくシエル。慌てて引き止めたものの、顔が怒ってらっしゃる。よし、真面目に聞こう。
『…あのさ。
Aって、何で結婚しないの…?』
すると唐突に、デリケートな問題に触れてくる。思わず「グフッ」と口から変な音が漏れる。あと赤い液体。きっとトマトジュースだ。今日飲んでないけど。
「え…あ、なにお前…
まさかシエル……‼」
そうだ。すっかり忘れていたけど、シエルと俺は声に出さずに会話ができる。そのお陰で俺はいちいち黒い板に向かって話しかけている変な
奴にならずに済んでいる。
しかし考えてみよう。俺は男だ。相手がいないしソロプレイが主だ。そしてシエルには喋らずに会話ができる。
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あまね(プロフ) - 1話1話の内容が読み応え(濃くて)があって、読んでいると時間を忘れる作品でした！更新頑張ってください（ｹﾗｯ (2021年8月7日 23時) (
レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴオレは正義！！(プロフ) - 長らく留守にしてしまい申し訳ございません。また頑張って更新させていただきます。これからもよろしくお願いします。 (2017年8月15日 20時) (レス) id: 7349353892 (このIDを非表示/違反報告)
sasa(プロフ) - 久しぶりの更新ですね。面白かったです。 (2017年8月10日 9時) (レス) id: eb4ed90277 (このIDを非表示/違反報告)
リオウ(プロフ) - 更新再開を心待ちにしてました！ (2016年8月13日 10時) (レス) id: fcbe9efa34 (このIDを非表示/違反報告)
姉がうるさい - この小説とっても面白いです！早く続きが見たい！更新待ってます！！ (2016年8月1日 16時) (レス) id: a4cdad4bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イチゴオレは正義！！ | 作成日時：2015年9月13日 1時
