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「…あー、やっぱ何もないわ。」
一瞬だけ、悲しそうな目をしたのは何故?
そうやって、諦めたように目線を逸らせてしまうのは何故?
それは、
それは。
「…なんで、死んだんやろうな。俺。」
御札を拾う手を止めた。
この人には僕の動作を止めるナニカがあるのだろうか。
僕は少しだけ笑って言った。
「…君が死んでへんかったら、こうして会えてないやん?」
やから、そんな風に思わんといて。
思い出してしまうから。
過去に囚われて、動けなくなってしまうから。
今僕がこうして息を吸えているのは、あの日から全ての感情に蓋をして、奥の方に押し込めたから。
なのに君は、易々と入ってくる。
自分の感情が、分からなくなりそうだ。
やっぱりそうやって感情を押し込めて、仕事に集中しようとする。
「それもそうやな。」
納得したのかわからない表情をした。
「でも、」
結界を張り直し終わった僕は、彼の方を向いた。
「──────。」
聞こえなかった。
全く。
こういう時に限って、この能力は使えない。
「えっと…なんて言った?」
段々と、瞼が重たく感じてくる。
なんで今やねん、
ほんまに、この能力使えへんのなぁ。
それでも、最後の詞は鮮明に聞こえた。
「また、会おうな。」
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…最悪なパターンだ。
真逆の夢オチだなんて。
僕は鳴り響く目覚まし時計を止めて、ベッドから這い上がる。
眠たい目を擦っていると、ある写真が目に入った。
「…この写真、いつ撮ったんやろ。」
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『全部夢やない、いうたらどーする?』
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なんてオチがない終わり方!
更新もはちゃめちゃに遅い!
とりあえず、完結(?)です。
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作者名:Haru | 作成日時:2018年5月19日 15時