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「…あー、やっぱ何もないわ。」



一瞬だけ、悲しそうな目をしたのは何故?

そうやって、諦めたように目線を逸らせてしまうのは何故?


それは、


それは。



「…なんで、死んだんやろうな。俺。」



御札を拾う手を止めた。

この人には僕の動作を止めるナニカがあるのだろうか。

僕は少しだけ笑って言った。


「…君が死んでへんかったら、こうして会えてないやん?」


やから、そんな風に思わんといて。



思い出してしまうから。


過去に囚われて、動けなくなってしまうから。


今僕がこうして息を吸えているのは、あの日から全ての感情に蓋をして、奥の方に押し込めたから。


なのに君は、易々と入ってくる。


自分の感情が、分からなくなりそうだ。


やっぱりそうやって感情を押し込めて、仕事に集中しようとする。



「それもそうやな。」



納得したのかわからない表情をした。



「でも、」




結界を張り直し終わった僕は、彼の方を向いた。




「──────。」




聞こえなかった。


全く。



こういう時に限って、この能力は使えない。


「えっと…なんて言った?」


段々と、瞼が重たく感じてくる。

なんで今やねん、

ほんまに、この能力使えへんのなぁ。


それでも、最後の詞は鮮明に聞こえた。




「また、会おうな。」






____________________







…最悪なパターンだ。

真逆の夢オチだなんて。


僕は鳴り響く目覚まし時計を止めて、ベッドから這い上がる。

眠たい目を擦っていると、ある写真が目に入った。


「…この写真、いつ撮ったんやろ。」






________________________









『全部夢やない、いうたらどーする?』









_______________________








なんてオチがない終わり方!

更新もはちゃめちゃに遅い!

とりあえず、完結(?)です。


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作者名:Haru | 作成日時:2018年5月19日 15時

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