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✿安室side
「ありがとうございました。また来ますね。」
『ありがとうございましたー!』
今、店から出て行った青年は、AAさん。
どうやら今日初めて来た様だった。
僕が薦めたハムサンドを食べて、今会計を終わらせて帰ったところだ。
彼は大変顔に出にくい様で、常に真顔だったが
雰囲気が彼のことを物語っていた。
彼の見た目はかなり大人っぽいが、ハムサンドを食べている時はまるで子供の様だった。
しかし、僕としては少々怪しく思う。
何故か身体中に巻かれていた包帯。
何処か人とは違った、常人にはとても出せない様な雰囲気を纏っていた。
僕と話す時も何処か一線を引いているかの様だった。
しかし
もしや彼は、また別の組織の人間か、又はRAMの可能性すらある。後者に関しては殆どないとは思うが。
取り敢えず彼は怪しい。ので今後とも警戒して見ていくことする。
勿論、彼には悟られない様に、だが。
男は知らない。
彼は敵ではないことを。
男は知らない。
彼は、Aは。
『へくしゅっ。…誰かが、僕のこと……
そんなわけないか。だって、僕は。
独りの華は、諦めていた。
誰かに愛される事を。
心の何処かでは、願っている筈なのに。
華は理解しようとしない。
そうして無常にも時は過ぎて行くのだ。
✿
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作者名:ヨルノ | 作成日時:2023年7月10日 17時