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安室さんと同じ様な事を言われてしまった。
そこまで雰囲気、出てるのか。
「あっ、そ、その！良い意味でですよ！」
『いえ、大丈夫です。只、その…表情筋は動かないのに雰囲気は伝わるのかと思いましてね……それ程に分かるならいっそ表情筋も動いてほしいんですが……』
「でも、お兄さんの雰囲気、凄くわかりやすいから大丈夫だと思うよ！顔は動かねぇけどな。」
あっ、凄くグサッときた……
コナン君、聞こえているのだよ、それ。
確かに演技とはいえ、表情筋を動かせないのは少し辛い。
でも、そんなに雰囲気、出てたのか。
流石に出過ぎたら良くないし、気をつけよう。
そんな感じでやり取りしていたら。
「お待たせいたしました。ケーキセットです！」
『ありがとうございます、安室さん…！』
「ふふ、どうぞ、召し上がって下さい。」
目の前には美味しそうなチーズケーキとコーヒー。
思わず頬が緩んでしまいそうだ。
僕がケーキに夢中になっている間、
安室さんとコナン君が軽くやり取りしていた事に
気付けなかった。
もしも気付ければ、ボロを出す様な事はしなかったのに。
『へぇ…園子さんの彼氏さん、凄いんですね。』
「そうですよね！私も空手やってますけど、
やっぱり凄いと思うんですよ！それにすっごいラブラブですし！」
「ちょっ、蘭！そんな事言うなら、貴方こそそうでしょ？！この間の修学旅行と言ったら……」
思いの外二人とのお話は楽しく、すっかり陽が落ちていた。殆ど恋バナだったけど。リア充爆ぜろ!!
ここにいると、どうしても家に帰りたく無くなる。
そうだな、いっその事、夜ご飯もここで食べてしまおうか。
思い立ったが吉日。早速電話しようじゃあないか。
『すみません、少々席を外しても良いですかね？』
「全然大丈夫です！ってあれ、こんな時間？！」
『そうですね、私は此の儘ここで晩御飯を頂かせて頂きますが、皆様は如何なさいますかね？』
「うーん、家も近いですし、私はまだ居ましょうかね…」
「うぅー、私は帰らなくちゃ。また今度、お茶しましょうよ！Aさん！」
『えぇ、構いませんよ。園子さん。…おっと、すみません、失礼させて頂きます。』
噂をすれば、か。
何と言おうか。
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作者名：ヨルノ | 作成日時：2023年7月10日 17時
