10 ページ10
合宿に使う旅館に到着。
車を停めて、館内を下見して本予約してくる。
すぐ目の前のスキー場はまだオープンしてないから、遠目で見るだけ。
冬合宿は、お昼すぎに現地集合した後、ボードやる組とやらないで先に温泉入ったり飲んだりする組に分かれるのが定番になってる。
「シゲ今年はすべるの?」
「…人には得意不得意がそれぞれあるんですよ。もう大人ですから、わざわざ不得手なことして万が一のことがあったとして他人様にご迷惑かけられませんから。そもそも幹事として旅館でフライングアルコール組担当の職務を全うする予定ですので」
「ふふふふ何いろいろ言い訳してんの」
「うるせえ」
シゲがハハって笑って私の肩を小突く。
要するに滑らないのね。
「あたしもフライングアルコール組の担当になってもいいですか?ボードってやったことないし、怖いし」
長ーいまつ毛をパチパチさせながらエマちゃんが言う。
シゲが滑るって言ってたら「教えてくださぁい」って言ってたに違いない。
「いいよ、私も香也子も滑る予定だから、外担当するよ」
「じゃあ俺も外担当しまーす」
伊野尾くんがすかさず言う。
香也子は何回も転んでだいぶ上手になったから、多分助けるような機会はないかもしんないけど、頑張れ伊野尾くん。
私まだあんまり滑れないけどやってみたい。
可愛いウエアを先シーズンの終わりに安く買えたことだし。
下見を終えて帰ることにする。
相変わらず助手席にエマちゃん。
好きだねぇ。必死か。
パチパチしてるまつエクとカラコンがお人形さんみたいでこわい。
伊野尾くんに続いて後部座席に乗ったら、シゲが振り返る。
「A、酔ってなかった?来る時」
「…え?」
「なんかしかめっ面してたでしょ。気持ち悪かったんじゃないの?」
「…いや、別に…」
「帰りも山道だし。前乗れば。代わってやって、悪いけど」
シゲがエマちゃんに言う。
エマちゃんが、ニコってして助手席を降りる。後部座席を降りて、外でエマちゃんとすれ違うとき、小さくエマちゃんのため息が聞こえた。
517人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆみ(プロフ) - はじめてコメ送らせていただきます!!ちなみにtwitterでは、ふーむ。という名前でフォローさせてもらっています!すっっっっっごく面白くてドキドキしながら叫びながらw読んでいます!これからも楽しみにしています。応援しています! (2017年1月23日 16時) (レス) id: 3a2ee7fa6c (このIDを非表示/違反報告)
100toi(プロフ) - くっそぉぉじぇにーちゃん のバカ!!!(お約束)まっすーにするからいいもん!…と光の速さで心変わりするルートは脳内で補完しときます。。早くきゅんきゅんシーン出てこーい!! (2017年1月23日 14時) (レス) id: fd62881687 (このIDを非表示/違反報告)
あきにゃん(プロフ) - エマちゃんに取られちゃったあ〜シゲのバカ!!!泣きそうになって心の中で叫んでます!続きが楽しみです! (2017年1月23日 12時) (レス) id: 08f945d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - ひゃぁぁぁぁ(´Д⊂わかるけどわかりたくないですー(´;ω;`)泣きそうになってしまいました。続き楽しみにしてます(^^) (2017年1月23日 0時) (レス) id: 0095ffd8eb (このIDを非表示/違反報告)
じぇにー(プロフ) - 有咲さん» 有咲様ありがとうございます。なかなかくっつかないストーリーに自分でもどかしくなってます...!てごにゃんの方も読んでくださって嬉しいです!またよろしくお願いします〜! (2017年1月15日 0時) (レス) id: cb9bd9d1c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:◯じぇにー◯ | 作成日時:2016年10月9日 21時