この恋を知るまでは（SK）

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ちょっとさっぱりしたくなって、ウーロンハイを店員さんに頼んだとこで、シゲに見つかった！


「コラ」
「…ん？」
「お前だいぶ飲んでんな！いつの間に！」
「…ん？」
「ん？じゃねんだよ。やめとけっつってんの」
「うふふ」


シゲがお父さんみたいで面白くて笑ったら、近くにいた違う部局の後輩が、話しかけてきた。

「Aさんて飲むとさらに癒し系ですよねー！可愛くないすかー？」
「…え？」

シゲがすかさず笑いながら私のおでこをぺしって叩いてきた！
「いた」
「酔っ払い！まんざらでもねえ顔しやがって！」
「わーん、すみません」


シゲひどい。いたい。


いつの間にかラストオーダーが終わってて、委員長の締めの挨拶。
挨拶聞きながら、届いたウーロンハイにこっそり手を伸ばして、ひとくち。
喉がひんやりして気持ちいい。



挨拶終わって、二次会行く人ー！とかって同期の子が取りまとめてる。
みんなまだダラダラしてる。
香也子どうするのかな、って思ったらもういなかった。携帯見てみたら、「お先に！」って連絡が来てた。
また竹志かなぁ。

支度して出る前に、残ってたウーロンハイを氷といっしょに飲み干す。
氷をガリガリしながら立ち上がる。
あっちの方でエマちゃんがシゲにくっついてる。

二次会はいつもどおりのカラオケかなぁって思いながらみんなにくっついてダラダラ歩いてたら、ちょっと酔いがまわってきていい感じ。


おや、フラフラする、と思ったら、後ろから腕をぎゅっと掴まれた。


「…だから」
「あ、シゲ…」
「だから言っただろうが。ほら一回とまれ」


ぼーっとしたまま言われた通り止まる。
思った以上に視界が３センチ四方。
というか目を開けていられない。

シゲの大きな手が私の腕をぎゅうっと掴んでるなぁって思いながら、引っ張られて少し歩いたら、座らされる。
どっかの会社ビルの敷地にある植え込みのそばのベンチ。石の。


いつの間にか冷たいペットボトルのお水を買ってくれたみたい。
ほれ、って手渡される。


「…しゅみません」
「お前そろそろ加減覚えろよ」
「…あい」


ペットボトルのキャップ開かないなーって思いながら冷たいペットボトルを持ってたら、パッと奪われてぱきっと開けてくれる。
至れり尽くせりですね。


「…いたりりく…うう…噛んだ…」
「いーから早く飲め」
「…あい」


お水おいしい。つめたい。
目は相変わらず閉じたがってる。
眠いなぁ。
ねむい…。

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