18 side SK ページ18
ただの友達だと思われてるんだろうな。
実際それでもいいから、なんとか気づかれずにバッサリされずに、このまま近くにいられたらいいなぁなんて女々しいことを考えてる。
このまま。一番近くで。
とりあえず小山さんが卒業するまで。
だから、目線も合わせないで、温泉から出てきたAがスーッと俺を避けた時、気づかれたのかも、って血の気がひいた。
これがバッサリか……
って傷跡をおさえて倒れ込みそうなのを我慢。
待て、いつどこで気づいた?
まあ、隠し切れなかった想いはそこかしこで溢れていて、今までAが気づかなかったのがおかしいくらいなんだけど。
香也子が慌ててAのあとを追いかけていく。浴衣可愛かったなちきしょう。
休憩スペースに戻って、アイス食ってるまっすーの隣に座る。まっすーが唇尖らせてアイスの棒くわえながら言う。
「なに、Aどーしたの?まだ具合悪そーだね?」
「うん、なんか、そんな感じ」
そうか、具合悪いだけかもしんないんだ。
「大丈夫ですかね?Aさん。心配。あたしが助手席取っちゃったから…」
エマちゃんが風呂上がりとは思えない化粧の濃い目をパチパチさせながら、俺の隣に座る。
最近なんなんだろうこの子は。
懐いてくれてありがたいけども。
可愛いから悪い気はしないけども。
でも正直めんどくせえし、一体何の目的があるの?って思う。
次の日、各々で朝飯食って、チェックアウトの時間にロビーに集合して写真撮ってもらって合宿は終了。あとは現地解散。
Aはいつも通りの顔色で香也子とくっついて写真におさまってた。
荷物を積むためにレンタカーに近づいたら、隣に停まってたSUVの傍らにAがいた。運転席の小山さんとニコニコ話してる。
じゃーね、って小山さんが手を振って、スーッと車は出て行った。
名残惜しそうに小山さんに手を振るAさんの細い手首。
車の鍵を開けてから、ゆっくり近づいて、Aの足元の荷物に手をかけながら声をかける。
「これ積むよ?」
「あ……うん、でも、大丈夫。ホラ、エマちゃん」
チラッて俺を見た後、また、目を逸らした。
指差す方では、エマちゃんがブランド物の重そうなボストンを右手に掛けて、段ボールを両手で持って、高いヒールの覚束ない足取りでこっちに近づいてくる。
余った酒が入った段ボール。
持ち帰って、次回の飲み会にまわそうってことになってる。
517人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆみ(プロフ) - はじめてコメ送らせていただきます!!ちなみにtwitterでは、ふーむ。という名前でフォローさせてもらっています!すっっっっっごく面白くてドキドキしながら叫びながらw読んでいます!これからも楽しみにしています。応援しています! (2017年1月23日 16時) (レス) id: 3a2ee7fa6c (このIDを非表示/違反報告)
100toi(プロフ) - くっそぉぉじぇにーちゃん のバカ!!!(お約束)まっすーにするからいいもん!…と光の速さで心変わりするルートは脳内で補完しときます。。早くきゅんきゅんシーン出てこーい!! (2017年1月23日 14時) (レス) id: fd62881687 (このIDを非表示/違反報告)
あきにゃん(プロフ) - エマちゃんに取られちゃったあ〜シゲのバカ!!!泣きそうになって心の中で叫んでます!続きが楽しみです! (2017年1月23日 12時) (レス) id: 08f945d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - ひゃぁぁぁぁ(´Д⊂わかるけどわかりたくないですー(´;ω;`)泣きそうになってしまいました。続き楽しみにしてます(^^) (2017年1月23日 0時) (レス) id: 0095ffd8eb (このIDを非表示/違反報告)
じぇにー(プロフ) - 有咲さん» 有咲様ありがとうございます。なかなかくっつかないストーリーに自分でもどかしくなってます...!てごにゃんの方も読んでくださって嬉しいです!またよろしくお願いします〜! (2017年1月15日 0時) (レス) id: cb9bd9d1c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:◯じぇにー◯ | 作成日時:2016年10月9日 21時