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助手席に乗ったら、シゲが思ったより近い。
シートベルトを締めたら、シゲがこっちに向かって近づいてきて、私の左側にあるリクライニングのレバーに手を伸ばす。

「ちょっと倒すよ」
って後ろにいるエマちゃんに言って、ほんのすこし角度つけてくれる。


「酔ったら寝とけ」
ってシゲがぶっきらぼうに言って、私の頭を左手でぽんてした。



別に車に酔ってたわけじゃないのに。
シゲってば。
お父さんみたいだよ。


出発してしばらくしたら眠くなってきちゃって、うとうと。
つい目を閉じる。
遠くでエマちゃんと伊野尾くんが話す声が聞こえる。




ハッて起きたら、体にシゲのネイビーのブルゾンがかかってた。

外は薄暗い。見慣れた町並み。
後部座席は空だった。



「…A?」

シゲが掠れた声で小さく聞く。
車の中は絞ったボリュームで洋楽がかかってる。シゲの呼吸まで聞こえてきそうなくらい静か。


「…ん、ごめん」
「起きた?」
「…伊野尾くんとエマちゃんは?」
「家回って送ってきた。お前はレンタカー返すのつきあえよ。ぐーすか寝やがって」
「……ごめん」
「ちょっとガムちょーだい。そこの」


シゲがこっちを指す。
助手席のドリンクホルダーにささってた細長い箱から一粒ガムを取って、包みを開ける。

手を出してこないから、シゲの口元まで持って行く。
いつもなら絶対あーんなんてしないのに。
酔ってみんなでふざけてる時でもすっごく嫌がるくせに。
コロン、てガムをシゲの口に入れる。


その時に指先がちょっとだけ唇に触れて、なぜか急に息が苦しくなる。



レンタカーを返して、2人で帰る。
いつも通りの距離。
いつも通りの会話。

なのに、心臓が激しく波打って、うまく息ができない。





なに、これ。





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設定タグ:NEWS , 加藤シゲアキ , じぇにー   
作品ジャンル:恋愛
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ゆみ(プロフ) - はじめてコメ送らせていただきます!!ちなみにtwitterでは、ふーむ。という名前でフォローさせてもらっています!すっっっっっごく面白くてドキドキしながら叫びながらw読んでいます!これからも楽しみにしています。応援しています! (2017年1月23日 16時) (レス) id: 3a2ee7fa6c (このIDを非表示/違反報告)
100toi(プロフ) - くっそぉぉじぇにーちゃん のバカ!!!(お約束)まっすーにするからいいもん!…と光の速さで心変わりするルートは脳内で補完しときます。。早くきゅんきゅんシーン出てこーい!! (2017年1月23日 14時) (レス) id: fd62881687 (このIDを非表示/違反報告)
あきにゃん(プロフ) - エマちゃんに取られちゃったあ〜シゲのバカ!!!泣きそうになって心の中で叫んでます!続きが楽しみです! (2017年1月23日 12時) (レス) id: 08f945d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - ひゃぁぁぁぁ(´Д⊂わかるけどわかりたくないですー(´;ω;`)泣きそうになってしまいました。続き楽しみにしてます(^^) (2017年1月23日 0時) (レス) id: 0095ffd8eb (このIDを非表示/違反報告)
じぇにー(プロフ) - 有咲さん» 有咲様ありがとうございます。なかなかくっつかないストーリーに自分でもどかしくなってます...!てごにゃんの方も読んでくださって嬉しいです!またよろしくお願いします〜! (2017年1月15日 0時) (レス) id: cb9bd9d1c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:◯じぇにー◯ | 作成日時:2016年10月9日 21時

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