この恋を知るまでは（SK）

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年が明けて、授業が始まった。


２月になったらすぐ試験期間になる。
うちのサークルはもう通常の活動はなし。
２月の補講期間に一度だけミーティングして役員決めて、３月に追いコンして、卒業式で見送りして、今年度の活動はおしまい。

４年の先輩達は、卒論ラストスパートかけてるみたい。２月に発表会がある。



学部が違うシゲとは、偶然すれ違うこともなく、一切顔を合わせなかった。
今までよく学食とかで会ってた気がするんだけどな。

そのうち試験勉強やらレポートやらに追われて、私は研究室こもりっきりになって、会うチャンスは本当になくなっちゃった。


今日の試験が終わったら、あとはレポートいくつか出しておしまい。


来週の補講期間が終わったら、長い春休み。
あ、その前にミーティングしてサークルの役員決めるんだ。
ひさしぶりにシゲに会えるかもしれない。
ドキドキする。


試験を終えて、ゆっくり帰り支度。持ち込みOKな試験だったから、筆記用具の他にもノートとテキストをカバンにしまう。ガヤガヤした教室。


隣にいた香也子が話しかけてくる。
「A、白井先生のレポート終わってる？」
「途中までしかできてない。だんだん自分でも何書いてるかわかんなくなってきちゃって。香也子は？」
「あたしもまだ！でもそれ書けば終わりなんだ！たぶんね、締め切り前日ギリギリになんないと降りてこないと思う」
「作家みたいなこと言っちゃって」
「ギリギリでいつも生きていたいんだよ」
「KAT-TUNみたいなこと言っちゃって！」


香也子とはほとんどの授業が同じ。だから、追われてる試験もレポートもほとんど同じ。
帰り支度を終えて、２人で教室を出る。学食までのろのろ歩いて移動。
緩やかな坂道を登る。

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