派手に戦う為に、地味な作業を ページ34
「ねぇ、これホントに全部回収するの…?相当な労力使いそうなんだけど………」
そう愚痴る及川さんを横目に、私はちまちまとBB弾を丁寧に洗っていた。
「仕方ねぇじゃないですか旦那ぁ、あれだけぶっ放したら当然弾は回収しねぇと。
このままだと弾不足でまともに戦えず無残にゾンビ化してしまいますぞい?」
「むぅ…そうだけど………」
拾って貰ったBB弾を洗うのに集中し過ぎてもしかしたら一般人から聞いて妙な口調になったかもしれない。
いやまあ別にいいけどこの2人何も言わんし。
因みに、何故BB弾を洗っているのかというと。
あれから私達は大量のゾンビを片付け終え、ついでに一階を彷徨いていたゾンビも処理、校舎内を完全に制圧する事に成功した。
教室にあった机や椅子でゾンビが入って来ない様に出入り口や窓なんかを完全に封印、
でも内側、つまり私達側からは比較的簡単に崩して入る事が出来る様にしておいた。
その上で、もし外に出なきゃならなくなった際、或いはゾンビに校内への侵入を許してしまった際の為に先程の戦闘で使った弾を回収、再利用する他にゾンビの血によって染まった弾を全て丁寧に拾って洗っているのだ。
…正直あまりにも弾を多く用意し過ぎた為、中腰姿勢で洗うのはかなり苦労している。
腰がむちゃくそ痛いぞこれ。何故パンデミックが起こる前の私はここまで用意周到だったんだ。
本来は調理実習で使う為のザルで弾に纏わり付く水を落とし、なんとか一段落…
したかと思えば、また汚れたBB弾が岩泉さんに運ばれてくる。
それを洗う、するとまた…と無限ループ状態だ。しんどい。
「あ゙〜…腰が痛い…
中腰姿勢しんどい血生臭い…」
「一番始めに弾回収して洗うって言い出したのお前だろ、頑張れ。
俺らもこうやって手伝ってる訳だし。」
「そうですけどずっと同じ体制ってしんどいじゃないですか…ってあぁぁぁ今腰の骨がバキッてぇぇぇ!痛いぃぃぃぃぃ!」
戦って生き残る為であれば、こんな地味だけど辛い作業もしなければ。
そうは思っていたものの、ずっと同じ姿勢はキツい。あまりにもキツい。
段々口に出す言葉が年寄りになっていく。老ける。
ただでさえ脳内年齢そこそこいってるって言われてたのに。
これはもうダメだ、ギブアップだ。
一度休憩でもしないとやっていられない。
あまりの腰の痛さに耐えられず、私の頭の中でそんな考えが固まった。
それを2人に告げて、一度回収は休む事にした。
「………あ、そういや…」
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作者名:Guilty | 作成日時:2019年5月28日 2時