【ハイキュー】それでも、この世界で ―1― (ページ29)

今日:82 hit、昨日:201 hit、合計:98,602 hit

作戦再開、そしてページ29

「じゃ、くだらない私の推測は一旦置いといて、ですよ。
いい加減校内を制圧しましょうぜ、じゃなきゃホントに油断出来ず胃がキリキリ、いずれは胃がキリキリし過ぎてぶっ千切れちゃってもおかしくない訳ですしおすし。」

「…すまん、途中から何言ってるか分からんかった。」

パンデミックの推測話について一段落付いた為、私がそう告げると何がどう分からなかったのか及川さん、岩泉さんの頭上に？マークが浮かんだ。
ネットスラングそんなに使った訳じゃないんだがな今の。

まあ一応校内を制圧する、という本題はちゃんと通じたらしいので私達はなんとか作戦行動を再開した。

時折飛び出してくるゾンビにヒヤヒヤオロオロしながらも、着実にゾンビの頭を潰していく。
そして随所随所にゾンビなら引っ掛かってしまうであろう簡易的な罠も仕掛けておいた。

こんな時の為にロープやらなんやら仕掛けといて良かったかもしれない。
今まで学校に通う度重たくて仕方がなかったけど。

まあでも持ち歩いてたお陰で筋トレ代わりくらいにはなったし、今こうしてやっとロープをロープとして使えた訳だし。
こっからが君達の出番だぜロープ君。頑張ってくれよ。

と、順調に制圧を成功させて2階まで降りてきた頃だろうか。

「…なんか聞こえません？」

ゾンビではない声が聞こえてくる…気がする。
なんとなくの感覚の為本当に聞こえるかどうかは分からないが。

ただ、なんとなく。
なんとなく、人の呼吸の様な音が篭って聞こえる様な___

「…ザンカちゃんには聞こえるの？
俺には…何も………」

「………すまんが、俺も何も…」

だが私以外には聞こえていないらしい。
正直クッソ気になる。この音が本当に聞こえてくるのか私の気のせいなのか。
この2人にも聞こえていれば調べた方がいいと判断したのだが、私一人の独断でなんでもかんでも首を突っ込むのは危険だ。
一度諦めてここを制圧して、それから考えた方が良さげな気がする。

「…すみません、じゃあ気のせいの可能性もありますし制圧完了してからここに来てまた調べてみます。
何かあってお2人を危険に晒すのもあれですし。
て事で！まだ完璧に制圧は出来てないんです！いい加減前に進みましょう！プルスウルトラなのですッ！」

「今俺らの動き止めたのザンカちゃんだよ！？」

…さっきの推測のせいで妙にネガティブになっている気がする。
それを感じさせないように、私は相変わらずうざったい言葉を並べ、2人と制圧作戦を再開させた。