風ふわり、雪ひらり 第二章 【不死川実弥】

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中に入るともくもくと煙が辺り一面に充満し、吸い込まないように腕で口元を覆う


目的の場所、厨に着くと火は上がっていないことが唯一の救いだと呑気に思っていると
床にヘタリと座り込んでいる者が一人

その者こそがこの爆破の元凶だと言わずにも分かり歩み寄る



「テンメェ…この有様はなんだぁ！？」

「んげっ！！しししし師範！？
もうお帰りで！？」


窓を全開に開ければ煙は外へと逃げていき、視界良好に。
そして真っ黒になっているAにいつものように怒鳴り散らす


「何考えてやがるっ！屋敷をぶっ壊す気か！？」

「う"っ…ちょっと料理しようかな…って思って…」

「阿保か！！出来もしねぇことすんじゃねぇ！！これで何回目だ！？あ''ぁっ！？」



そう、これは今日初めてではないのだ


過去に
自身が空腹になり夜な夜な飯炊きをしたら竃が爆発し厨は火の海に
非番の日に余りにも暇で暇で暇すぎて世話役の手伝いをすると厨に入ったはいいが、食材を切るだけなのに切られたのは食材だけに留まらず、彼方此方がスパスパと切り刻まれ一時厨は使いもならず


などなど、挙げたらキリがない程Aは料理に関しては全くもってダメダメであった


その度に不死川に半殺しにされ、料理をするなと言われているにも関わらず、またしてもこの失態


コイツは馬鹿なのか！？阿保なのか！？
イヤ、馬鹿を激しく通り過ぎてどの言葉も当てはめれるものはなく頭痛がしてくる！


そんな事を考えている不死川は今日一番の疲れがどっと襲ってきて、はぁっとらまた大きなため息をつきその場に座り込む



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