元軍人買ったので、大切な人を救おうと思う。【d】 (ページ1)

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kr side

kr「！？」

私が見たのは、ナイフを首に添えるレイスの姿
それが偽物だとしても怖かった
大切な彼が消えてしまうことが

kr「っレイス！」
『…カレン』
kr「レイス！！何してるの！」
『別に…ねえ、カレン。レイスって…屑だよね』
kr「え？」
『裏切り者で、嘘つきで…誰にも求められない屑。なのに自惚れしてさぁ…僕が救うんだ、とか僕だから、とか…意味がわかんないよね』

レイスが…裏切り者？
屑、なんかじゃない…嘘つきなんかじゃない…

そう言いたかったけど、言葉が出ない

『…こっちを使おっかな』

そう言って(僕)が服のポケットから出したのは、ナイフ
偽物なんかじゃない、本物の
人をころせる、ナイフ。
レイスはそのナイフを、首に当てた

…このまま横に動けば、どうなる？

kr「レイス！！！！」
『…何？』
kr「やめ…て…！ナイフを、離して…っ！」
『何で？誰からも求められないのに？』

違う、レイスは求められてる

kr「レイスは！！きっと求められてるよ…沢山の人から、愛されてるよ…！！それに、それに…私はレイスに生きて欲しい！！そばにいて欲しい！だから…っ！お願いだか、ら…」

私がそう言うと、光の無かったレイスの目に、ハイライトが戻ってきた
そして、レイスの目から雫が零れ落ちた

『カレンは…優しいね。こんな奴を大切にしてくれて…ありがと、そう思うよ。…さて！帰ろっか！』
kr「…うん！」
『あ、待って、ナイフ直してくるね！』
kr「はーい！」

ねえ…レイス…

kr「…星が…綺麗、ですね」

伝えられないこの気持ち