みつめる愛で４ (ページ17)

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75.大好きだった人1 ページ17

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誰も言葉が出ない静かな空間。

重苦しい空気がのしかかってくる。

雅紀くん…

雅紀くん。

帰って欲しかった。

嫌な気持ちにさせたくなかった。

これで終わりにしないと。

雅紀くんを、不安にさせちゃダメだ。

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「リョウ…話ってなに…？」

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今更何の話があるのか。

着信拒否をする前に大切な人がいるって、ちゃんと伝えたのに

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でも…大切な人が…離れて私達を見ているあの人だって事を知られてしまって

なんの変装もしていないままのあの人だって…わかってしまったから。

リョウの反応が恐くて仕方ない。

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リョウ「…俺以上に会いにくいし、堂々とデートも出来ないし…
先だってわからない、そんな人選んでいいの？」

「…そんな人なんかじゃないから。私を…大事にしてくれる人だから。」

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そんなことはわかってる。

わかっていて差し出された手を取ってしまったんだから。

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リョウ「…A…」

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名前を呼ばれて目線だけ上げると

本気で心配しているリョウの顔が見えて

説明しようのない涙が出てきて。

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リョウ「…A、泣くなよ。」

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頭をポンポンとされて涙を拭ってくれた。

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