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『お、待ってたのかよ』
制服に着替えた二口堅治が、私の方へ向かってくる。
「バカ、そこは待たせたなとかでしょ、そんなんだから彼女できないんだよ」
半袖の、白いシャツ。
正面から、夏らしい、蒸した風が吹いてくる。
『うっわ、すっげー蒸しあっつ。』
シャツの胸元をパタパタとさせる。
「コンビニよってこ」
そんな二口堅治を横に、少し早足で歩く。
『お？アイス奢ってくれんの？』
うわー、さすがっすわ！
私の少し右斜め前を歩きながら、そんなことを言う。
私は、隣で歩きたくて、もう少し、歩くスピードを上げる。
「はぁ？買うわけないでしょ！普通は二口が奢ってくれるとこだよ」
『俺一応部活やって来たんで？お疲れなんですよ？』
いつもの二口堅治とは裏腹に、珍しく、屈託のない笑顔を浮かべる。
信号を渡ったところにあるコンビニへ、入った。
『うお、涼しすぎんだろ。やべー』
私には少し肌寒い位の涼しさに、身震いをする。
「しょうがないから、今日は奢ってあげる」
目を輝かせて喜ぶ二口堅治は、少し幼く見える。
私チョイスで選んだアイスは、コーヒー味の、二つに割るタイプのアイス。
コンビニから出た後、二つに割ったアイスを一つ、二口堅治に渡した。
二口堅治は、アイスの先の部分をくわえる。
『んー、んまい。お前も、いいとこあんだな。』
「こういう時だけあんたは...」
二つ並んだ影、、淡い朱色の地面を見つめながら、さっきよりもゆっくり歩く。
この時間の、暗くなり始めた空と、暑さと、蝉の声と、二つの影と。
「好きだなぁ。」
『ん』
「この時間。ずっと、続けばいい」
『そだな』
珍しく言い返してこない二口堅治の横顔は、夕日のせいか、ほかの意味があるのか分からないけど、
すごく綺麗で、少し、泣きたくなった。
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匿名 - ぁ……あぁああ……あ…………しゅき…………青春してやがる……末永く幸せになりやがれ…… (2019年1月6日 12時) (
レス) id: 63c38f32d4 (このIDを非表示/違反報告)
すず - 本当に面白かったです！鎌先さあぁぁぁぁぁぁぁぁぁん！！！ (2018年8月15日 8時) (レス) id: 7cb4aff4ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - アップルパイさん» ありがとうございますすすすすすすす！こんな小説を読むために生きていたのですか...本当に、嬉しいです。 (2017年10月24日 23時) (レス) id: 6760a7cf82 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - あぁ、私はこの小説を見るために生きて来たんだなぁ。と、凄く思いました。素晴らしい小説をありがとうございましたあぁぁぁぁぁぁ!! (2017年10月24日 23時) (レス) id: 241a2bf209 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 鈴姫さん» ありがとうございます！！ほんとに、そのような言葉を頂けるだけで感謝しかないです(･_･、) (2017年10月24日 22時) (レス) id: 6760a7cf82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ | 作成日時：2017年8月25日 20時
