テニスのお姫様 (ページ7)

今日:5 hit、昨日:17 hit、合計:22,117 hit

7 ページ7

.

私は、試合を終えてコートから出てくる

越前くんに思わず駆け寄った。

『越前くん ! ! 』

「アンタ、この間の … 」

わたしの顔を見るなり

目を見開く彼。

我慢が出来なくてそれに構わずに

私はそのまましゃべり続けた。

『 … 越前くん、すっごくカッコ良かった ! ! !
テニス見るのも初めてでルールもわからない私が言うのもアレだけど、最初相手の技に動かされててすっごいハラハラしちゃったのにその裏をかいて策を用意してる頭脳戦なところも、それに直前まで気づかせないようなプレイとあの技を試合の中で真似してやってのけちゃうのも、すごかったし

何より越前くんのプレイに見惚れちゃうくらい
わくわくさせられて、もっとテニスのこと
知りたいなって思わされてね … ！ ...』

… はっ。

私が話せば話すほど、

眉を寄せていく越前くん。

ふと、周りを見渡せば

案の定そこにいた人たちが

こちらに注目を集めていた。

ヤラカシタ。

『あ、あの、えっと …

あありがとうございました ! ! ! 』

一気に熱がなくなって

冷静になった私はバッとその場で頭を下げる。

そして直後、猛スピードで

校門に向かって走り出しその場を後にした。

… 思わず、あんな大きい声で

饒舌に話しちゃったよ恥ずかしい ! ! ! !

_____

( … 越前、お前顔真っ赤だぞ )

( ……… そんなことないっス )

( にゃはは～照れてる照れてる～！

それにしても面白そうな子だったにゃ )

( うん。また来てくれるといいね？手塚 )

( なんで俺に言う )

( だって、あんなに真っ直ぐな子

手塚もちょっといいなって思ったでしょ？ )

( …… どっちにしろ、

来るか来ないかは本人次第だ )