Cafe Time. (ページ27)

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変化ページ27

席に着いて周りを見渡すと、以前と変わらぬ店内だった。

やはりここが落ち着く。

ふと厨房の方へ目をやるとそこには明かりが差しているだけで人影がなかった。

いつもならマサさんが作業をしているはずだ。

『あれ、マサさんは？』

「…お店が忙しくなってから体調を崩されて、持病の関係もあって今は病院で休んではります…」

聞くところによると2週間ほど前から、マサさんは病院で安静にしており、一切店に顔を出していないという。

『ほな、お店はAちゃんだけで？』

「そうなんです…たまに友達が手伝ってくれたりするんですけど基本は私だけで」

あの大勢の客を彼女は1人で対応していたらしい。

注文をとって、料理を作って、皿を下げて、会計をして…とても1人でこなせる量ではない。

俺はそんな店の状況に気づかず、Aちゃんの助けになれなかった自分を責めた。

今までそばで見てきて

彼女のことを知ってあげられているつもりでいたのに

情けなかった。

『すみません…俺変な意地張ってたんです。Aちゃんが他の人にも笑顔で対応してるん見んのしんどかって…。それで来れなくなったんです。』

時計の音が妙に大きく聞こえた。

Aちゃんは黙ったまま、ただ一点を見つめていた。

(やっぱり…怒るよな)

そう思い、肩を落とす。

ﾎﾟﾀｯ

突然テーブルに雫が落ちた。

Aちゃんの方を見ると泣いていた。

『え！ほんまごめんなさい！「いや、」』

「いや、そうじゃなくて……もしかしたら健人さんに何かあったんかなとか……私の事嫌になったんちゃうかなとか…考えてて。そうじゃないって知って今、安心したんです」

彼女はゆっくりとゆっくりと自分の口から話してくれた。

『嫌になるわけないやん』

「へへ笑いろいろ追い詰められてたんかも」

Aちゃんは考えすぎだった、と笑ってごまかす。

「安心したらお腹すいちゃいました笑ご飯食べましたか？」

『まだです』

『じゃあ何か作りますね！』

Aちゃんは笑顔でそう言うと厨房へ向かった。

幸せな時はつかの間、それは突然起こった。

ﾊﾞﾀﾝｯｯ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿