【完結】Come here, my love.【桃×黄×青】

Bitter.26 ページ28

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るぅとくんは繋いだ手の温もりが、さとみと似ている。


ころんは側にいるという安心感が、とてもよく似ている。


だけど、嫌なところは似ていない。


きっと其処が駄目なんだ。
その所為で幸せな日々を掴めないんだ。


『私なんて、この世から消えてしまえばいいのに…』


でも、さとみが他の女の子と結ばれるのは嫌だな。


るぅとくんが他の女の子と楽しそうに笑っているのは嫌だな。


ころんが他の女の子と幸せになるなんて嫌だな。


我儘ばっかり言って、みんなを困らせるんだから……私なんて要らないよね。


ね、要るって言ってよ。


『俺/僕には君しかいない』って私を慰めてよ。


もっともっと、愛を頂戴。


足りないの、これだけじゃ。


『反吐が出そうな言葉だな』


愛が足りない、なんて。


そんな言葉、無くなってしまえばいいのに。


充分すぎる愛しか存在しなければいいのに。


「君ならできるよね？」


いつの日か、誰かに言われた言葉。


私は何も出来ないんだよ。


何も成し遂げられないんだよ。


私には価値がないんだよ。


「そんな事ない。僕がついてる。他の全員がAを見放しても、僕だけはそんな事しないから」


中学の時、虐められていた私にそう言ってくれたよね。


『そうだよね、ころん？』


「ああ、そうだね…」





【私には充分な価値があるんだよ、きっと】

Bitter.27→←ちょいネタバレ含む

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