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善人 ページ3
一炉side
「白石くん…だっけ、大丈夫?」
そうニコッと白いハンカチで泥だらけの俺の頬を吹きながら笑ったのは、同じクラスの奴だった。
「ああ、私?白石くんと同じクラスの
香川、恵美。
恵美と名前負けしない笑顔に、思わず顔が熱くなった。
「か、がわ」
「ん?どうしたの?」
「ど、うして?」
俺に手を差し伸べたら、香川だってドレイとして扱われかねないのに。
「…あー、それはね…。"白石くんが可哀想"だったから、かな」
いつか夢見たヒーロー。
正に香川だった。
強きを挫いてまで弱きを助ける、それは正真正銘のヒーローだった。
こんな汚れた俺も助けてくれる、ヒーロー。
「ありが、とう」
「いやだぁ、泣いてるの?白石くん」
この日初めて俺は、ヒトの暖かさに触れた。
筈だった。
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作者名:しゅがー | 作成日時:2022年4月7日 19時