(仮) forth (ページ5)

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「もぉ、早いよ。相葉ちゃん」

トコトコと時間差でやってきたのは大野さん。

「お！ Aちゃん起きてる」

「大丈夫？」ってベッドに駆け寄ってきてくれた大野さんが心配そうに眉を下げる。

「はい、もう…。すみませんでした。ご迷惑を…」

座ったままの体勢で、出来るだけ深く頭を下げた。

「全然。ご迷惑なんて掛かってないよ」

ふにゃっと笑ってくれた大野さんにちょっと安心した。

「あの、やっぱり私、仕事に戻りま「ダメだって」

今まで黙ってｶﾀｶﾀとキーボードを叩いていた二宮さんが顔も上げずに私の言葉を遮る。

「でも…もう体調悪くないですし「ダメ」

「だって、まだやり残した事が「ダメ」

「でも、皆に迷惑が掛か「ダメ」

「…でも……だって………」

何を言っても聞き入れてもらえず、困った様に二宮さんを見つめると、その視線に気付いたのか、わざとらしく大きなため息を一つ吐いて、やっと顔を上げた。

「でもじゃないでしょ？だってでもない。あなたが今日一日、っつーか午後？休んだくらいじゃ誰にも迷惑掛かんない」

「………」

「あなたがまた倒れるんじゃないかって、ヒヤヒヤしながら見てなきゃいけない方がよっぽど迷惑」