(仮) forth (ページ22)

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それから2人の雑談が始まったんだけど、私はこの場を離れてもいいのかな？

どーしていいのか分からず、ソワソワする。出来れば早く席に戻りたい…でも、二宮さんの手は肩に乗ったまま。

俯いて自分の足元を見つめながら、解放される時を待つしかなくて…嫌な記憶が入り込んでこないように、大野さんの顔をひたすら頭に思い浮かべた。

「お！ Aちゃん！」

聞き馴染みのある声に振り返ろうとすると、背中にドーン！って何かが突っ込んできた。

「ぅ、わ！」

早くこの場から立ち去りたかった私の重心が無意識の内に後方に傾いていたお陰で、前につんのめる事は避けられた。

「Aちゃん、おはよー」

後頭部から聞こえてくる声。頭にスリスリ擦り付けられる柔らかな感触。そして、首に巻き付いている綺麗な手……

「…大野さん？おはようございます」

「ん、もう大丈夫なの？」

「はい、もうすっかり…昨日はすみませんでした」

「気にせんでいいよ。誰にだって調子悪い日くらいあるよ」

「すみません、ありがとうござい「おじさん！それセクハラだって言ったでしょ。あなたも何ホッコリ会話してんのよ。まずはコレ振り解きなさいよ！」

大野さんの腕をバンバン叩きながら、二宮さんが吠える。