(仮) forth (ページ12)

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3人に見送られて発車した車内。

「キツかったら寝てて良いからね」って言ってくれるまぁ君に、お礼ともう本当に大丈夫だと伝える。

先輩の事、話した方が良いかな？でも、また心配させてしまうよね……でも、話さなくて、また倒れたりしても心配させてしまうし……でも、何事も無ければ……

まぁ君に櫻井先輩の事を話すかどうか。どっちが良いのか分からずに、言う、言わないの選択肢がグルグルと頭の中を回る。

「Aちゃん？ …何かあった？」

「え？」

「俺ら何年の付き合いだと思ってんの？顔見れば分かるよ」

前を向いたまま優しい笑顔を浮かべるまぁ君を見つめる。

「何があったかまでは分かんないけど…何がそんなに怖いの？何が不安なの？」

信号で止まったまぁ君が、私を覗き込みながら頭をポンポンと叩く。

「大丈夫。ゆっくりでいいから。俺に話してみなよ。ね？」

「…うん。あのね……」

まぁ君の優しい瞳に見つめられたら、優しい声を聞いたら、弱い私は簡単にまぁ君に甘えて寄り掛かってしまう。

結局、櫻井先輩が会社にいた事、フラッシュバックに襲われた事、年末から先輩と毎日の様に顔を合わせるのが不安な事…全部話してしまった。